「衰退」ではなくて「是正」。

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あぁ、なんか腑に落ちた。ようやく分かった気がする。

僕がこの本を読んでピンと来なかったこととか、あのイベントで実感が湧かなかった理由。要するにそれが「東京」「広告」「メディア」の話だからなんだ。

確かに、東京×メディア×広告でみると「広告をクリックさせるためだけにPVを集めるメディア」と、CMの最後に流れる「続きはWebで」の受け皿の世界。

メディアはとにかく数を稼げばいいわけだから、質より量の世界だろう。ここ数日某SNSのニュースが半端なくネタ連発で僕も思わずツッコミ入れまくっちゃったけど、あれは「釣り」なわけです。「こんなのあり得んじゃねーか」って日記に書かせて「そーだよねー」って仲間内で盛り上がることがPVを押し上げる。PVの増加はメディアの媒体資料に反映されるし広告クリックによる収益も増える(僕はそれで良いと思う)。

ただしここでは「ニュースの質」も「視聴者の質」もどーでも良い。

SNSでなくともニュースメディアにしても同じ。だからテレビネタが数を稼げるということになる。運営側はちゃんと狙ってるわけです。例えばSNSの日記だったら、日記を選択する担当者は「このニュースを含む日記」が多ければ多いほど評価され(想像だけどね)、ニュースメディアでも引用されたりコメントがたくさんつく記事が評価される(PVに比例するし)。さらにそれが「Yahoo! ニュース」にでも掲載されれば言うことなし。

「ウェブはバカと暇人のもの」ってのは、そういう仮説(仮説と言えども実際の収益やメシの種に密接に結びついた仮説)に基づいてニュースメディアの運営サイドの中の人が書いた真実というわけです(良く読めばここでの発言とか一貫してるよな)。

こう考えると僕には異論は全くない。そうして作られた数字をベースにした媒体資料やプレス発表とかの数字を根拠に「やっぱり今の時代、続きはWebですよ!」という企画を立てて予算をつけてWebプロモーションやWebブランディングに持っていこうとする世界は衰退していってもやむを得ないと思う。

このイベント はもちろんリーマンショック以前の話なわけですが、この時期に「東京」「広告」「メディア」でみたWebが「衰退」してみえてるってのが面白い。

結局のところ、東京でもなくメディアでもなく広告でもないWebの業界人としては、全然ピンとこないわけです。これはむしろ「衰退」ではなく「是正」ではないのか?

「どうやって予算をひっぱるか」みたいな話で考えると、無理にひっぱらないと付かない予算でしか成立しないものだったら、それはむしろ是正されていっていい。

これからは「本質」「価値」「価値に見合ったコスト」の時代であるべきだと思うし、その中でいかにして適切な対価をいただける良い仕事ができるかどうか。それが今の時代のWeb業界の中の人に必要なことなんだと思う。

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このページは、Junnama Nodaが2009年5月14日 21:42に書いたブログ記事です。

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