2009年10月アーカイブ

既に公式サイトに審査についての考え方を掲載しています。また公表にあたってのコメントについても週明け早々に掲載させていただく予定です。

よって、ここ(私のブログ)に書いている文章については、私個人の考え方に基づく見解が含まれることについてあらかじめご了承ください。

一次審査基準について

今回、まず第一弾として「一次審査基準 - PC版ウェブサイト(案)」を作成、公開いたしました。

最初にお伝えしたいことは、今回公開したのは審査委員で考えた「案」であることです。

10月7日に行われた公開討論会 "だれもが使えるウェブサイト" の際に今回の審査に関する考え方をお話させていただいた通り「公平でオープン」に進めていきたいという思いから「案」の段階で公開しました。最終形ではありません。近日中に皆さまのご意見をいただく窓口についてお知らせする予定です。ご意見、ツッコミ歓迎です。よろしくお願いします。

もう一点、このコンクールは、標題にもある通り「みんなの声で選ぶ」コンクールであり実際にウェブサイトを利用する利用者(市民モニター)の方に評価していただくことが最大の特徴であると考えています。ですので、本来はこの審査基準に基づいた一次審査なるものは必要ないと思っています。

一次審査はあくまでも審査サイト数が多く、評価していただく市民モニターの数が不足することを前提として設けているものです。

よって、審査サイト数と市民モニターの数を勘案して、第一次審査は行わないことがあります。この点を特にお伝えしておきたいと思います。最終的な評価はあくまでもサイトを利用する利用者の方々が行います。

また、一次審査が行われた場合、一次審査の点数は二次審査には引き継がれません(現段階ではそう考えています)。

JISと審査基準について

項目のリストアップについてはJIS X8341-3(2004年度版)をベースにしています。JIS X 8341-3:2009原案ではありません。このことについては議論がありましたが以下の2点により2004年度版をベースにしました。

  • 2009年版はまだ原案段階であること
  • チェックツールが2004年度版をベースに作られていること

但し、一次審査対象ページの抽出についてはJIS X 8341-3:2009原案にある「8.1.2 ウェブページ一式単位 c) ヒューリスティックに選択する場合」を参考にしています。

一次審査基準について

客観的に評価する

一次審査基準の最後のツメ(配点あたり)を行っている時にTwitterでつぶやきながら作業進めていたので、そのあたり少し引用しながら紹介していきたいと思います。

Twitter / Junnama Noda:二次がメイン(人によるチェック)ってのが今回の特徴だから、一次は逆に人の評価をあまり入れたくないのです。二次審査の人が充分確保できたら一次はいらん、っていうのが基本スタンス。

Twitter / Junnama Noda:当然ながら代替テキストやラベルの妥当性はツールでチェックできない。

Twitter / Junnama Noda:title要素は機械チェックで済ましたくないけど適切なものかどうかは主観だし。

Twitter / Junnama Noda:ボタン画像にボタンクリックで起こるアクションを表すテキストが指定されていればOK。テキストの妥当性はチェックしない。

代替テキストが指定されているかどうか、フォームのラベルとコントロールが紐付けられているかどうかというのはツールでチェックできます。但し当然ですがそれが適切か、妥当なものかについては(現時点では)機械では検証できません。

適切、妥当でないものは当然役に立たないかかえって理解の妨げになります。でも、今回は配慮しません。適切か妥当かってのには主観が入るからです。

ここでは「大切かどうか」は切り捨てる、ということです。例えばタイトル要素は大切。「例えば他のページ(HTMLファイル)をコピーして違う内容のページを作った」「タイトルの変更を忘れて内容が全然ページの内容と違う」。これは致命的だと思います。 でも、そこは評価しないのです。

ここ評価しようと思ったら国語のテスト、読解力を問われることになるかと思うのです。審査員を読解力で選んでいないから、ここに点数はつけられません。だからつけない。

この考えは採点は1/0(イチかゼロ)。という考えにも繋がります。配点5点のものは5点か0点。2点や1点はない、ということにしました。

配点のバランスをどうするか

主観を排除するということから「機械的にチェックできる」「人によって違う評価にならない」ものを中心に据えることになります。ただしそれだとJISの項目(満たさなければならないことが明示されている項目)が網羅できません。

どうしても審査員が判断していかなければならないことがあるからです。

一次審査基準(案)26.省略語、専門用語、流行語、俗語などの想定する利用者にとって理解しにくいと考えられる用語に解説があるか(5.9.c)。

そこで、その部分によって配点に差をつけました。主観的な評価は配点を低く[3点]。そして、審査はサイトにつき3名。平均ではなく、2人以上がつけた点を採用。採点は1/0(イチかゼロ)なので、5点、-5点、3点、-3点、0点のいずれかになります。

今回の項目はすべてJISの満たさなければならないことが明示されている項目で構成されています。配点の3点、5点については項目の重要度ではなく、この考え方に拠ります。

加点か減点か

加点か減点か。メーリングリストではFlashやPDFの話が出た時に議論になりました。

例えばPDFがアクセシブルもしくはアクセシブルな代替コンテンツがあれば[5点]とした場合(当初案ではそうなっていました)、PDFのあるコンテンツの方が有利になります。Flashも同じ。

なので、減点としました。じゃぁ、Flash使わない方が有利じゃないか。それは現時点ではその通りです。

でも分かった上でチャレンジはしてほしいと思っています。一般的でない技術(「一般的」の定義は? ってツッコミは当然あると分かった上で)、もしくは「アクセシビリティを確保することに対して敷居の高い技術を敢えて使うからには、そこはクリアして欲しい、でいいじゃない」というのが今回の考えなのです。

Twitter / Junnama Noda:title要素は加点じゃなくて減点にしたいところとか。でもそうすると矛盾が出る。いや、出ないか。これ感覚てか主観だな。

これは僕の感覚的なものですが、TITLE要素なかったら減点! 論外って思うわけです。感覚的には。

でも今回は一般的な技術(X)HTMLやCSSに関わる部分はクリア出来ればすべて加点、です。

ちなみに、TITLE要素がページの内容を適切に判断しているものはを主観的に審査員が判断して[3点]、とすることも検討しました。でもそこは「我慢」。限られた審査員のリソースでっていう前提もあるので、ツールでチェックできるものはそこで判断します。

Twitter / Junnama Noda:画像に代替テキストを提供しているか、ってのは、加点? 減点? だって、画像のないページもあるでしょ?

Flash/PDFは減点方式。であれば「画像」はどうなんだ、っていうつぶやきですね。もちろん画像のないページもあるかもしれませんが今回は「一般的」な技術として評価します。よって画像は評価対象で加点。

一次審査基準(案)15.画像に代替テキストを提供しているか(5.4.a)。

「[配点](すべて)提供している場合[5点] 」としています。(他の項目もそうですが)画像が何点あるかは考慮しません。1点でも100点でも「すべて」満たしていたら5点。ということは、画像が0点であれば無条件で5点となります。

そして、画像を使っているかどうかに限らず、ページ全体の背景色と前景色のコントラストについてチェック項目を入れました(加点対象)。

尚、この項目については aDesignerでチェックすることで客観的判断が可能ということで[5点]にしています。

一次審査基準(案)20.画像やページのデザインにおいて背景色と前景色に充分なコントラストが確保されているか(5.5.c)。

配点に関する各項目の考え方の例

各々の項目は審査基準のページを参照いただければと思いますが、配点に関する検討のプロセス(考え方)についていくつか例をあげます。

一次審査基準(案)1.ページのHTML(XHTML)が規格及び仕様に則り、文法に従って作成されているか(5.1.a)。

  • 一般的なページで利用される技術であることから[加点]
  • 機械的なチェックを行うことにより客観的な評価が可能[5点]
  • よって、+5点

一次審査基準(案)10.ページ内のフォームの入力欄に何を入力すればいいか理解しやすく、操作しやすいか(5.3.b)

  • フォームが使われていないケースも想定されることから[減点]
  • 機械的なチェックに加え、審査員の判断でチェックしなければならないので[3点]
  • よって、-3点

また、同様に「フォーム」を含む項目ですが、

一次審査基準(案)9.フォームなど、すべてのページ内要素(Flashを含む)がキーボードで操作できるか(5.3.a)

  • キーボード操作対象となるハイパーリンクは一般的な技術につき[加点]
  • ツールに拠るチェックだけではチェックしきれないが、審査員によって審査結果に差が生じないと考えられるため[5点]
  • よって、+5点

といった考えで配点を決めていきました。

もちろん「どっちともとれる」項目があることは否定できません。

ツールによるチェックの限界

今回の審査には、Web Inspector 5.11aDesinerを活用します。当然ですがツールによるチェックには限界があると考えています。

JIS X 8341-3 5.5.b ウェブコンテンツの内容を理解・操作するのに必要な情報は、形又は位置だけに依存して提供してはならない。

これに対してWeb Inspector 5.11のチェック項目は以下の通りです。

  • 取消し線(<del>)を使用していないか?
  • 取消し線(<s>)を使用していないか?
  • 取消し線(<strike>)を使用していないか?
  • 「yy/mm/dd」という文字列で、日付を表現していないか?
  • 全角の¥と全角の$を使用していないか?
  • 全角の「yy/mm/dd」という文字列で、日付を表現していないか?
  • 「※」という文字列を、「注釈」の意味で使用していないか?

個人的には<s><strike>はともかく、<del>はいけないのか? と思います。但し現実的に例えば「イベントの中止」を取り消し(<del>)で表現したとして、取り消されたことが読み上げで伝わらないことがあります。それでも前後の文脈等によって取り消されたことが伝われば良いと思うのですが、そこまではチェックできません。そのあたりは常に悩ましいところです。

一次審査基準(案)18.形や位置に依存した情報提供をしていない(5.5.b)。

Twitter / Junnama Noda:「だって、形や位置に依存した情報提供をしていない」に対して「yy/mm/dd」が駄目? これって形なのか?

「yy/mm/dd」というのが(分数のように読み上げるブラウザがある)環境や文脈によっては理解しにくいというのは事実でしょうが、これが「5.5.b」に該当するかどうかは僕には疑問でした。

もちろん、画像や実際のレイアウト等を含めて判断しなければならないわけですが。 いずれにしても、各所で既に指摘されている通りツールによるチェックには限界がある、ということをいつも意識しておきたいと思います。

終わりに - まだ終わりじゃないけど

コンクールはこれからですが、本エントリの終わりに。基本的に今回の審査委員はボランティア参加です。審査基準についても時間やリソースに限りがある中での作成作業でした。ということを言い訳にするつもりはありませんが、私たち自身も色んな味方があるだろうし、ツッコミどころもあるだろうな、という点は分かった上で「案」として公開しました。ですので、是非建設的なツッコミをください。ツッコミ歓迎します。

それと、最後にひとつ。たくさんのご応募お待ちしています。

アルファサード有限会社では現在人材を募集中です。広告(1)-東京(2)-大阪

twitterでのtomixさんとかfuuriさんとかのやりとり? っていうかそのあたりきっかけで。

昨日の話でいうと、感情的な好き嫌いとか、もちろんビジネスにもそういうのはあるんだろうけど、そういうの抜きにして互いを尊敬して「何か(多くの場合はお金か時間)」をちゃんと賭け、提供しあえる関係ってのが「人脈」の定義。かなぁ...

人脈の定義がどう、っていう話もあったけど、ひとまず僕にとっての人脈の定義はこんな感じかな。

さて、話ずれるかもしれないが、とりあえずつらつら書き出してみよう。

会社を始める時に決めたこと。

  1. スーツを着る
  2. 同業の下請けはしない
  3. 人脈に頼らない
  4. パッケージは持たない
  5. 最初から東京視野に入れておく

4つめだけは撤回してるね。それでも、まぁ会社始める時にこの5つは決めていたんですよね。

スーツ着る

何ていうか「アンチテーゼ」って言葉が大好きなんですね。人と違うことやりたい。やりたがる性格。「同業からの下請けはしない」「最初から東京視野に入れておく」にも繋がるけど、いつか「ど真ん中」の仕事したいと思っていた。

スーツ来たら何かが実現するわけじゃないけど「スーツ着たWeb屋になる」っていうか、「アクセシブルなWebサイトをツクル会社」をひとりで作って、誰を顧客にするの? って考えたら、スーツ着るのがいいんじゃねーか。って、そんな程度のことだけど、ひとりで仕事はじめて切り替え出来なくなるのがいややったんやろね。ひとり出社でも打ち合わせなくてもスーツ着る、って何ていうか、そう決めたんです。

同業の下請けはしない

もうね、ここに書いてある。すごく影響受けてるな、今考えると。8年程お世話になったんだけど。

  1. 情報に力を与える仕事をします
  2. 自分がお得意先(クライアント)でも、自分に頼みたいと思える仕事をします
  3. 長くお得意先(クライアント)に役立つよう努めます
  4. 結果に謙虚な経営をします
  5. 自主自立の気概を持ちつづけます

3つめだけはちょっと現状のウチのスタイルと違うのですが、今考えるとあとは変わらんのですね。「現実に敬意を払え」って口癖のようになってるけど、S社長の言う言葉でね、一番心に刺さったっていうか、ずっと覚えてる言葉なんだな。

さて、上記のリストで言えば「自主自立の気概を持ちつづけます」にあたるわけですが、下請けって楽なんですよ。ある意味。下請けってのは「他人が生み出した仕事」のお手伝いであって自ら仕事を生み出してるわけじゃないんですよね。

前職時代のそれってのは、例えば広告代理店とかが競合対象なわけですが、アルファサードの場合、それは他の「Web制作会社の下請けをしない」ということを指します。

確かに当初は色々ありました。でも「仕事がたくさんありすぎて手が回んないんです」「ウチでもできるんですけど」的な会社の下請けに回ったが最後、価格競争というか、最初からマージン引かれた価格での対応を迫られます。「ウチでもできるんですけど」がまた曲者で、それって「替えのきく仕事」なんです。ウチじゃなくてもできる仕事。そういうのって、絶対値段上げていかれへん。「僕ね、40過ぎたんで今日から単価あげていいですか」て無理ですよね。少しでも安い競合がきたらそっちに仕事持っていかれる。だからそれはしない。

もちろん現状で他のWeb制作会社さんの仕事あります。「替えのきく仕事」じゃなければOKってことです。Power CMS for MTを入れていただく、そのサポートをする、ってのは「替えのきく仕事」じゃないですよね。だからそれはOKなんです。そういう意味での「同業の下請けはしない」ということです。

人脈に頼らない

さて本題(なのかな)。1人で会社をはじめたわけですが、そりゃ最初は不安です。まず仕事あるかどうかって。今日明日のメシをどう食うかって時に、一番楽なのが人脈に頼ることです。つまりは...楽すんのが嫌だったんかな。いやそうではなくて。

何が嫌って「人脈をベースにすると、先が見えてしまう」んですね。「あの人とあの人とあの人に、このくらいの仕事貰って、そうすればこのくらいの数字だせるじゃん」っていうのが新しく作った会社の事業計画だったら、それって果たして面白いの?

もしくは、その時点の人脈って、やっぱり仕事を通じた人脈がメインだから、下手をすると仕事の内容とか仕事一緒にする面子が全然変わらないってこともあり得る。そんなん、会社にいてもできるやん。会社作った意味あんの? ってことです。

前職でお世話になったS社長、元社員が独立して下請け的に仕事してるの、どこか面白くなさそうだった。楽に流れるなって。そういうの、何かわかるんだな。

それでも最初は元いた会社の下請け、人脈頼りの代理店仕事とかしてた。でもそこでとどまりたくはなかったのです。

では、初期の営業はどこでしてたのか。

  1. 人脈ベースでごあいさつ
  2. ビジネスマッチングサイトで案件に応募
  3. 官公庁のプロポーザルや入札
  4. セミナーやイベントへの参加

1つめは、まぁ普通にやります。でもそこがメインじゃないってのは意識して。でも実質そのあたりの目算は外れます。会社の看板なくて、お金が絡む部分では、人脈って5割引くらいで考えて丁度だよなって。そう思います。その辺は若い頃に会社ごっこやって失敗してる経験が生きてるのかも。「あの人とあの人とあの人からこのくらい仕事もらって」っていう事業計画はほぼ実現できないと考えたほうがいいと思う。

2つめ。ビジネスマッチングサイトで案件に応募ってやつ。これもいくつかやりましたよ。仕事がそこにあるのだから。

ただ、これってすんごい世界だったな。「mixiと同等の機能を持ったSNS」「予算30万円」(当時OpenPNEとかなかった)でね、20社くらい応募があるの。mixiが30万円でつくれますか? 確かに営業力がなくて実装力がある、ていうバランスだったらそれはありかもしれないけど。

あと、今だから思うんだけど、発注側としてあれ使うってのがそもそも、外注するノウハウとかネットワークがないんじゃないかなと。そういうところの仕事は受けても苦労すると思う。

で、「官公庁のプロポーザルや入札」ってやつね。これ、当初から考えたはいたんだな。でも「全省庁統一資格」てのが必要。最初の決算終えてないと駄目なんだよね。但し、最初の決算て1年経過せずに迎えられるんですよ。11月に法人登記して翌年6月に最初の決算迎えたから実質半年ちょっとで取得出来たわけです。それまでは下請けに甘んじる。結構実績重視されるから、下請けでも何でも書ける実績作っておいた方がいいわけです。その上で資格を取得出来たら参加する。

5つめの項目の件の話になるけど、この辺アプローチするなら絶対東京がいい。関東甲信越の資格とっておくこと。その意味もあるのかないのか当時の心境は正確に覚えてるわけじゃないけど、設立半年時点で西麻布のインキュベーションオフィス借りて人入れてた。事業所作って登録してたんだよな。

で、最初の受注はプロポーザル参加3回目。国の事業のネットプロモーション。たいして儲からなかったし必死だったけど、実績作りと足がかり。次の案件受注も同じ省庁。提案書に小中高でのユーザーテストを盛り込むっていう提案が受けて受注したんだな。とにかくあの頃はその辺必死だった。

今となっては入札案件とかはしんどいけど(金額が半端なく低いので)。提案力に自信があれば、こういうところも選択肢なんだと思う。

で、「セミナーやイベントへの参加」ってやつですね。

今となってはすげー恥ずかしいけど、会社始めた時ってこんなサイト作ってセミナーに参加したりソフト公開したり、WCAGのドラフトの邦訳して公開してみたりそんなことしてた。

参加者としてじゃなくて、自分がスピーカーになる。そういう参加の仕方で、実はそういう場所は結構あるんですよ。呼ばれなくても、発信出来る場所。

とにかくそういうことをやってた。最初の2年くらい。

[ここから追記]

パッケージは持たない

この部分だけは今は変わってるけど、当初は会社案内に堂々と「パッケージは持ちません」って書いてたんですよ。本当に。

当初は一人だから必然的にキャパにもスキルにも限界があるし、制作の外注比率が50%程度はあったわけです。自分は上流をひたすらやっていた(下請けしない、って言ってんだから当然こうなる)。ここも今は変わっています。現在は「上流でなく、下流のピンポイント」

パッケージを持つ、あるいは担ぐってことは当然先行投資的に開発して、営業ツール作って売りにいくってこと。当初は先行投資の余裕がなかったってこともあるけれど、「パッケージを持つとクライアントに最適な提案ができなくなる」「最適な提案でなく、自社のパケージにとらわれてしまい、本当は他のパッケージがいいのに無理な提案をしなきゃならない」って考えていて、当時からOSSとかとても好きだったのでCMSに限らずそういうものを持ってきたりして都度案件に最適なものを提案していた。

ある意味でこれは正しいと思う。上流をやっている限りは必然的にそういうことになるし。つまりは「何でもかんでもMTで」っておかしいやんな、それ、ということです。

つまり、ニュートラル、クライアントの利益を最優先しますよ、というスタイル。

これが何故変わったのかってのはこれまでに書いたし、今回のエントリーの話題ではないのでここでは割愛します。以下のエントリー当たり参照いただければ。

最初から東京視野に入れておく

会社はじめて半年くらいは行ったり来たりしながら時間貸しのレンタルオフィスとか使って東京の仕事半分くらいしていた。当初は人脈頼りでのスタート、広告代理店の手伝いとか、以前いた会社の手伝いとか中心だったわけですが。

僕はかなり"ひねた"性格なので、「地方は予算ないし」とかぶつぶつ言うのが嫌だった。東京に何て言うか、ひねた視線を送ってたんだよな。大阪とか、関西でWeb業界のイベント、セミナーとかあるでしょ? で、東京の誰それさんがゲストで来るねん、って。殆ど行かなかったもん。何そんな東京もん来るってお前ら喜んで見に行ってんの? て。何で俺呼ばへんの、とか(笑) ←結構マジで思ってた。そのくらいの自意識過剰じゃないとやっていかれへんと思うねん。

官公庁案件もあわよくばって思ってたところもあるし、半年後には東京に拠点作ってた。

何ていうか、僕が広告業界の下にぶら下がるタイプの制作会社をやる気があまりなかったから(当初はそういうのが多かったけど)余計にそうなんですが、人脈に頼らず仕事を広げていきたければ最初から東京見ておいた方がいい。

代理店系を除いて関西の仕事って、その多くは中小企業、オーナー社長とかトップに近い人を相手に仕事をすることになります。それはそれで非常に勉強になるし、鍛えられる。若い頃に一度やっておくのって絶対損はないと思います。学ぶことは非常に多い。ただ、当然かもしれないけど予算に対して非常に厳しく、レベルの高いことを要求されます。若い頃はいいと思う。是非やるべき。ただ、当時既に37歳だったからね。違う方向を狙ってたってことです。

6年経過した今では、また違った考え方をしているけれども、当時はこんなこと考えて仕事してた、ってことです。

誰かにとって、何かの参考になれば幸いです。

アルファサード有限会社では現在人材を募集中です。広告(1)-東京(2)-大阪

既に今週5名程面接を予定しているので、そろそろ決めるかもしれませんが、引き続き書きます。今回は会社の拡大と成長について。

※当然ですが、あくまでも私の私見です。これが正解って押し付けるつもりはないし。

現在Web業界? には玉石混合様々な会社があるわけですが、まず前提として弊社は「地方都市ひとりでスタートして現在6年目の小規模なWeb制作会社」です。

独立か会社設立か - 人を雇うこと前提か否か

こういう会社は結構あると思うんですが、Web制作系で独立とかこれから会社つくろうとしている人にまず考えてほしいなと思うのは、「独立」が目的なのか「会社」つくるのが目的なのか、どちらなのかってことです。

「ひとりではじめて仕事が増えたから人を増やしていく」ってのはありがちな気もするのですが、僕はこの考え方に反対です。だって結果次第の行き当たりばったりと言えなくもないでしょう? そこに先を見た計画や成長戦略はあるのかどうか。それがないとやがて行き詰まるんじゃないかな、と(実は結構そういうパターンが多いんじゃないだろうかって思ってる)。

自分が「スーパークリエーター」で、ある意味師弟関係的な何か(?)で人を雇って、っていうのはありだとは思うのですが、前提として会社が成長することを考えていない場合、若い人間を雇い入れたとして彼らの「次」をどう考えてるのか。自分ひとりで手が回らなくなったから、人をとりあえず入れる。若い人はいつまでも若くないのだから、彼らの力も年収もあげていかないといけない。彼らの「次」が、「力付けて独立したらいいじゃん」もしくは「給料上げたかったら自分で考えて力つけて自分で頑張れ」だったら、それ何の会社なのって思う。彼らが自分で成長できなかったら、そのうち若くて安い人間に入れ替えたくなってくるかもしれない。

ではその逆の例を考えてみます。僕の考えでも一般的な考え方でもないけど、あくまでも一例として挙げるけれど、例えば若いコーダーやデザイナーが経験積んで、経験積んだらディレクターになってコーダーやデザイナー使う側に回りなさいっていうパターンあるでしょう? これってどうでしょうか。

例えばディレクター、コーダー、デザイナーの3人編成がひとつのユニットだとして、当初1チーム、その後コーダー、デザイナーがそれぞれディレクターにステップアップして各ディレクターが2人ずつを抱えて3チームになりましたって例を考えてみましょう(わかります? あくまでも例ですよ)。これ、人が辞めていかない限り成長前提のキャリアアップですよね。どのくらいのスパンで、ってのにもよりますが。例えば5年でっていうことであれば5年で3倍に成長、ってことが前提です。

もし、たいして成長していないのにこのようなモデルの会社があったとしたら、それが成り立つ(成り立っているように見える)のは、それは人が辞めているからです。誰かが辞めていくことが前提の組織の成長なきキャリアアップモデルではないでしょうか。これってどうでしょう。

バイアウトや上場という、一つのゴール(本当のゴールではないけれど)がある会社はいいと思うんです。それがない会社で働く人は何を見て働けばいいのでしょうか?

「拡大」でなく「成長」指向

さて、いったい俺は何がいいたいんでしょう。要するに、(人材募集しておいて矛盾すること書くけれど)「大きくなる気あんまりない」ましてや「上場するとか考えてない」って公言しているウチみたいな会社は社員の今後とか、どのようにキャリアアップ、ステップアップしていくんだ、ってことを描いておかないといけないんじゃないかってことです。

それがないのに「忙しいから、仕事増えたから人入れたい」ってのは、入ってくる人間が不幸になると思うのです。

歴史も規模もある大きな会社とは違うのです。上が定年で辞めるとか天下りで他所にいって空いたポジションに下から上がっていって、そして新卒が入って、っていう会社ではない、ということです(まぁ、こういう大企業的モデルも限界きてる面もあるでしょうが)。

さてウチの話です。これまで色々試行錯誤はありましたが、以前と比較して人が定着してきた。ただし基本「大きくなる気(あまり)ない」のです。もちろん「誰か辞めること前提」のつもりありません。

こういう場合、現在のスタッフが年齢重ねていくのに比例して収入も上げていくために必要なことは「成長」し「収益力を上げる」しかありません。人数は増えないのに収入を上げていこうとするわけですから。

個人に依存しない「成長」を考える

もちろん、スキルアップして作業スピードをあげたり、デザインの付加価値をあげて同じ作業量を「より高く」売れるようにしていくってのはありますけど、競合もプロなんですから、例えばクリエイティブでそんなにわかりやすい付加価値、他社との違いって出るもんでしょうか? 以前勤めていた会社の社長が言ってました。「例えばコンペで、内容が明らかに上回る企画なんて一握りである。相手だってプロなんだよ。」

逆に、個々の人材が例えばデザインスキルとか実装スキルあげて収入アップさせていくってのは、もちろんその環境をつくるのも会社だし、受け皿となるのは会社かもしれませんが、個々のスキルってのは他社にいっても通用するスキルですから、彼らにとってウチの会社である必要もないでしょう。

あくまでも「ウチにいることで自分のスキル以上に良い仕事ができて、より大きな付加価値が生み出せる(収益をあげられる)」シナリオが必要だと思うのです。

弊社ではこの3年くらいかな? 人数同じで数字を上げていくことが出来ています。仕事はたしかにキツい面もあるでしょうが、3年前は現在より仕事してなかったってこともない。3年前より個々のスキルがめちゃくちゃあがったわけでもない(もちろんスキル上がってますよ。それは前提ですが、数字と比例するくらいあがってるわけじゃない)。

ひとつは前々回だったか、書いた「技術の向けどころを変えた」こと、ピンチを契機に「選択と集中を進めた」こと、「アウトプットを増やした」こと、その結果を受けて「組織をフラット化した」ことです。別の言い方をすれば「上流ではなく、下流のピンポイント」を狙って徹底し、「製品とサポートを売ることで、デジタルコピーが価値を生み出す」しくみをつくったことだと捉えています。その結果として現在があるのだと。

「役務の提供会社」から「技術、サービスとノウハウを売る会社」への転換

さて、当然ですが今がゴールではありません。常に次を考えて手を打っていかなければ継続的な成長は見込めません。それがビジネスの世界の掟ですよね。

次のフェイズは「役務の提供会社」から「技術、サービスとノウハウを売る会社」への転換です。何であんな人数のオフィスにあんなセミナールームと言うか大会議室をつくったのか、スクリーンリーダーを始め支援技術というか、購入しまくったのか、サーバーラックとかサーバーマシンとか一気に購入してインフラ充実させたのか、全部その布石です。「技術」を売るってのは、現在力を入れている関連製品の充実化がわかりやすいでしょう。「サービス」を売るってのは、SaaSとかASPとかインフラを含めて自社の技術を提供すること。「ノウハウ」を売るってのはセミナーみたいなわかりやすい展開もありますが、製品サポートとか、ウチが得意な部分を売っていくということです。

それを、どのようにやるのか、という具体的な施策の一つが今回の人材の募集なのです。スピードを落とさずに、マーケットが必要としているものを提供していくために、現在の体制とは違ったところでひとつチームを作りたい。ウチが今もっているものを素早く広く展開させて、今狙っているニッチなマーケットでシェアを獲得するということ。

人材募集+もうひとつ進めていることがあります。これもいずれ書くかもしれませんが(書かないかもしれませんが)、ひとつはパートナー作りとアライアンス、もうひとつは新たなビジネススキーマの開発です。

要するに現状での今期の戦略・施策3点ってことですね。

現在、「役務の提供会社」から「技術、サービスとノウハウを売る会社」へ転換するために(何のために)、チームづくり、パートナーづくり、ビジネススキーマの開発(どのように)をやってるんだ、ってことです。

じゃあその後はどうすんねん、ってことですが3年後どうするとか5年後どうするってのをここで書いたりはしません(ってか、書けない)。マーケットや自社のその時のポジションをちゃんと分析して、「もっと強くなれる部分はないか」「さらに結果を上げられる方法はないか」を考えて実行する。まだまだ成長して「強く」なれる余地はあるんだと考えています。そのためにはスキル磨くだけじゃなくて、常に変わっていかないといけないと思ってます。

さて終わりに。人も辞めずに拡大もしなければ、いずれ高齢化してまいます。そこを踏まえて「ゆるやかな拡大」ってのは当然考えています(今がMAXだって考えてはいません)。ただ、「意味のない拡大は破滅への序章」っていうときついですが、「意味のない採用は仲間を不幸にする」ってのはいつも考えておきたいし、そこを考えた上での今回の募集であるということを最後に書いておきたいと思います。

10月初旬に大阪と東京でセミナーやります。内容は違うものですが。いずれも参加無料です。

Power CMS for MT活用セミナー(10月10日 - 大阪開催)

東京ではランチ付きだったじゃねーか、ってのは言わんとってください。あれはその時間しかどーしても都合がつかなかったので。土曜日だし、終わって時間のある人は飲みにいけへん、ってのもありかと思いますし。

内容は実際に制作者の立場で構築、さわっていただきましょうというものです。以下ちょっとまじめに告知メッセージです。

関西の案件、やっぱり東京の案件より全体的に予算が足りないっていうか、そういうところあると思うんです。そんな中で20万円〜ってのが導入になかなか踏み切れないってそういう会社さんもあると思います。私からのメッセージは「まずは触ってみてくれ」ってこと。CMSとしての使いやすさだけじゃなくて、サイト構築を楽にする、時間を短縮するという一面ももっているCMSです。はっきりいって、強力です。

しかも、ベースがMTです。MTのお作法で拡張されています。テンプレートタグでああしてこうして、ってのが出来る人ならすぐ使えます。で、これまでは苦労して力技で構築していたのが、こんな風に出来るのか、ってのを感じていただければと思います。

逆に、今ウチの会社ではサイト構築のパートナーも探しています。Power CMS for MT、結構なペースで導入いただいてます。構築に関しては正直ウチだけでまわらない。MTが得意な方、フットワーク良く対応いただけるかた、弊社が全力でサポートしますので、制作会社の方、フリーランスの方、是非マスターしてみませんか。仕事はウチがつくります。

会場はウチの会議室です。PCは持ち込みいただきたいのですが、何台かは貸出し出来ます。

アルファサード会議室

Movable Type 5 最新情報 & 圧倒的コストパフォーマンスのハイエンドCMS体感セミナー(10月6日 - 東京開催)

こちらはシックス・アパートさんとの共催で、逆に大阪で先月やったものとほぼ同じ内容です。Power CMS for MTのほか、MT5の最新情報や、弊社のXtalkAltStyleといった他のソリューショについてもお話します。

特に最後のセッションでは、弊社の持田からCMSで実現するウェブアクセシビリティや、AltStyleの紹介、あわせてウェブアクセシビリティの最新動向等もお話させていただく予定です。是非ご参加をご検討くださいませ。

また、弊社のセミナーではないですが、翌日東京で開催される 公開討論会 "だれもが使えるウェブサイト" には私も参加します。生Junnamaと話してみたいとか、ウチの会社に来たいけど直接売り込んだれ、っていう人も歓迎です(笑)。

それでは、当日お会いしましょう。

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