謹賀新年 - 2019年は新たな挑戦の継続。そして、我々の挑戦は社会に何をもたらすか。
公開日 : 2019-01-01 10:00:00
あけましておめでとうございます。こうして新年のエントリを書き始めて8年目になります。
- 謹賀新年 - 2018年は志高く、飛躍の1年に。
- 謹賀新年 - 2017年はビジネスの原点に立ち戻る。
- 謹賀新年 - 2016年は基本に立ち戻り“仕事力”を見直す一年に。
- 謹賀新年 2015年は「脱」"エバンジェリスト・ドリブン。" 一気に駆け上がるための本気の一年。
- 謹賀新年。2013年は"新しいキーワードをつくる年"。
- 謹賀新年。2012年のキーワードは"Connect(コネクト)"。そして、"To be Professional."
2018年、結果的に3つのことをやり切りました。
- PowerCMSのリファクタリング、書き直し(PowerCMS X)
- AIによる「やさしい日本語」翻訳エンジンの開発
- 現場仕事をほぼ1年間、スタッフに任せ切ること
これから数年で私たちの周りで起こること
ここ数年、考えていることがあります。色んなところで公言しているので隠すこともないので書きますけど、あと5年を一区切りとして、会社を次のステージ、平たく言うと「次の経営者」に引き継ぐことをしたい。もちろん、65年定年時代ですから、まだまだ働いていたいというのはあるとして(働くのが嫌とかまったくないのですが)、会社設立20年をひとつの区切りとして若い世代に引き継ぐことを本気で考えています。その前提で、今考えていること、2019年に取り組みたいことを少し書きます。大きくは3つ。
Webはそろそろ30年、業界の再編が始まる
Webもそろそろ30年、たかだか30年とも言えますが、Webの黎明期にスタートした会社組織はすでに代替わりが始まっています。アルファサード株式会社は現在15年、30代後半で会社を始めているのですが、経営者がその世代の中小規模事業者(弊社は20-30名規模)って相当多いと思います。
そういう面では、私と同世代のオーナー経営者も相当多いと思いますが、きちんと顧客を得て成長してきた会社であれば、経営者の引退とともに会社畳みますとか言えないところに来ているわけで、もちろん会社単独で後継者を育て、引き継ぐと言う選択肢もありますが、M&Aによる合併や買収などが盛んになってくると予測します。あ、別に売ること前提で考えてないですので念のため。とはいえ、業界の再編は避けようがないと思います。
ウチの会社は、オーナー経営者所有(一部の株は社員が持っていますが)の中小企業で、引き継ぐと一言で言っても、オーナーの株式問題など、色々とやることがあります。私は個人的に、n億円ものお金を手にして悠々自適とか、柄にもないので、自分が使えるお金は業界や後進のために投資したいと考えています。
2019年は、手始めとして、後進、これからチャレンジしたいと思っている業界の人を支援するような取り組みをスタートさせたいと思っています。もちろん、お金の面だけでなく、自社のソフトウェアを活用してもらったり、技術支援や経営相談などを含めて様々なメニューを提供できるようにしたいと思っています。
新しいWebアプリケーションフレームワーク - 10年戦うために作り直したエンジン
さて、2018年、当社的に一番目立つトピックはやはり「PowerCMS X」のリリースかと思います。このことは、本質的には2つの面を持っています。
- 向こう5年10年戦うための、今時のフレームワーク作り
- 100%自社所有のWebアプリケーションフレームワークを手にいれたこと
これまでは、「他社のソフトウェアをベースとした独自開発」でしたから、常に「他社」との権利・ロイヤリティなどの相談・交渉などが付きものでした。そういう柵から解放され、自由にビジネスを展開できるフレームワークを手にいれたことになります。従来型のビジネスの延長線上の展開(CMSソフトウェアライセンスビジネス、それを元にした受託開発)も、もちろんやっていくわけですが、それにとどまらない「Webサービス」「SaaS」などの展開にも使えるわけで、これまでのビジネスに加えた新たな柱を作る取り組みを進めます。
外国人の受け入れ&多言語共生社会の到来、と、やさしい日本語化エンジンの開発
最後に、2018年、少しこれまでの流れと異なる取り組みをしました。
- アルファサード、機械学習による「やさしい日本語化エンジン」を開発。西日本新聞社のウェブサイトに試験提供
- アルファサード「やさしい日本語」で自治体のTwitter等を活用した情報発信を支援するサービスの提供を開始
一見、これまでの当社の取り組みとは方向性が違うように見えなくもないのですが、実際はそんなことはありません。ひとつは、Webアクセシビリティの文脈から考えて、ガイドラインの4つの原則のうちの1つ「理解可能」を実現するための支援技術としての側面。そして、辞書の管理画面は PowerCMS Xで開発され、各プログラムは PowerCMS Xのプラグインとして書かれていること。なので、実はこのサービスは実に「アルファサードらしい」サービスではないかと思うのです。
これについては、1年近く地道に開発したサービスですが、マネタイズなどはまだまだです。というか、元々マネタイズにたいしたアイデアがあったわけではなかったわけです(もちろん、月額利用料をいただく、くらいのアイデアはありましたが)。ところが、出入国管理法改正案(入管法改正案)、いわゆる外国人労働者受け入れ法案などの話題とあいまって、これが中々によい評判、可能性を評価していただける人などが思いの外多く「こいつ、意外と可能性を秘めていて、誰かの役に立つんじゃないか」と思うようになって来ました。新聞社のサイトに取り入れていただくとか、開発当初はまったく想像していなかった。
で、2019年ですが、こいつをマネタイズすることは一旦忘れて、こいつを育てるための投資を行うという決断をしました。今年一年、もう少し具体的に言えば来年度いっぱいは、お金のことは考えず、翻訳品質の向上と、サービスやAPIの無償提供を行います。アナウンスは1月中に行いたいと思います。
ということで、簡単ですが3つの取り組みテーマについて書きました。『「次の経営者」に引き継ぐ』とかかくと「引退宣言」みたいですけど、退くというより、「自分がこの会社を立ち上げて、それを残すことで、社会に対して何をもたらしたのか」ということを少し真面目に考えて、少なくともこれからの5年に取り掛かる、という宣言でした。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。