アルファサード株式会社 代表取締役 野田 純生のブログ


どんな状況になってもコミュニケーションしていたい。


公開日 : 2009-05-06 14:21:45


ここ数ヶ月の間に2回程考えさせられることがあった。

一度目は携帯の液晶ディスプレイが死んだこと。いわゆる「水濡れ」なんだけど、チラチラ乱れてしまいに映らなくなった。それでも僕の携帯は「らくらくホンプレミアム」だから、読み上げれば使うことはできる。で、SNSやTwitterにアクセスして日記を書いてみたりつぶやいてみたりしたのだが、やはり不便なのだ。入力したテキストがきちんと変換されているか、とか非常に分かりづらいし時間もかかる。時間の方は慣れの問題だからいずれ慣れるとして、やはりまだまだ改良の余地はあると思った(特に入力系。読み上げて情報を得る分には充分なレベルであると感じたけれど)。

# ちなみに、ケータイ補償 お届けサービスってのを利用して5千円で翌日新品と交換できた

「ホームページリーダーで読み上げチェックしてますよ」ってあれ、絶対モニター閉じるかアイマスクしてテストしないとわかんないよ。モニター見ながらページ読み上げて「ちゃんと理解できるしアクセシビリティOK」ってのは絶対に嘘。特に操作系にはハードルって高いしそのあたり意識する必要があるよね、って改めて。

もう一つは、これは単なる風邪なんだけど喉をやられて声が出なくなった時。これはまぁ、ハスキーな声になって喜んで上田正樹みたいやろ〜とか調子こいてた罰があたったんだけどね。医者に行ったら「あんまり喋らないように」と言われた。

オフィスではホワイトボード使って筆談したりしたけれど、やはり不便。電話が出来ないしメール頼りなんだけど、やはり直接伝えることができないもどかしさ不便さを感じた。

この時も「らくらくホン」使ってテキスト打って読み上げて伝えようとか色々やったんだけど、正直やってられへんかった。PCだったらもう少し楽だったろう。

ということで、実はこのエントリーは昨日の続き(東京都障害者IT地域支援センターへ行った話の続き)です。

トラックボール、ジョイスティック

まずはジョイスティックとかトラックボール。ゲームのためだけじゃない。マウスが使えない or 使いにくい人でもこれなら使えるって人もいる。


ジョイスティックタイプのポインティングデバイス

こちらはさらに改良(?)型。顎をのせたりして扱う。とにかく体の動かせる部分、コントロール可能な部分を使ってPCを扱うわけです。一緒に映っているキーボードにはカバーが付いていて、このカバーによってキーボードの上に手のひらを置くことが出来る。キーを間違いなく押し下げるのが困難な人がいるため。


触覚ディスプレイ

触覚ディスプレイ。ああ、大阪府ってこんな形なんだとか。触ると押し下げられちゃうからこれ使えねーんだ、もう一歩だな、との評価も。


本のページめくり機

本のページめくり機。2ページずつちゃんとページめくりしてくれる。セッティングにコツが要りそう。間違うと「クシャ」っとなる。これはIT技術とは違うけれどGoogleは本のスキャンに絶対使ってそう。


スキャンした本を拡大表示

本を見開きでスキャンしてOCRでテキスト化して読み上げる。もしくは写真のようにテキストを拡大してみたり。これは以前にバリアフリー展とかでも見たことがあって、これ、かなりの精度です。視覚障害者が本が読めないってのは嘘。オールインワン型のものもあるし、普通のスキャナの付属ソフトでテキスト化して読み上げている人もいる。ちなみに一般の人が使うもの(つまり健常者市場対象に売られているもの)は安く、障碍者対象のものはコストが高いのが現実。


入力支援ソフト

最後にこれ。反転された文字は「あ→か→さ→た→な」と進んでいく。ボタンを押し下げれば今度は「か→き→く→け」と進んでいき、該当のところでボタンを押せば文字が確定する。そう、かったるい。かったるいけど、これがあれば指一本でも体のどこかでも動く部位があれば意思の伝達は出来るのです。


折しも風邪とか疲労がたまって貧血起こしたり少し健康のことを考える機会があって、最終的に支援技術とかWebとか、自分が作って来たものや開発した技術なんかを少しでも使って、例えどんな状況になってもコミュニケーションしていられる未来を実現したいし、どんなにかったるい入力デバイスを使ってでも好きな女性を口説いているような(笑)、そんな人間でいたいと思う。



このブログを書いている人
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野田 純生 (のだ すみお)

大阪府出身。ウェブアクセシビリティエバンジェリスト。 アルファサード株式会社の代表取締役社長であり、現役のプログラマ。経営理念は「テクノロジーによって顧客とパートナーに寄り添い、ウェブを良くする」。 プロフィール詳細へ