部屋と Movable Type と私
公開日 : 2014-12-25 13:30:00
この記事は Movable Type Advent Calendar 2014 - Adventar の最終日の記事です。過去2年もトリつとめさせていただきましたけど、気合い入ってるよね、過去の自分。でも今年はあっちに大物(MT Studio)上げたから、ちょっとグダグダ書かせてください。
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Movable Type 1.0から13年が経過しました。様々な紆余曲折を経て、特に、ここ日本では本当にたくさんのウェブサイトやブログのCMSとして使われてきました。コマーシャルライセンス、サーバーインストール型、数万円、Perl製というソフトウェアでは希有な存在でしょう。
私が最初に Movable Type に触れた時からも8年が経過しました。ココログを使っていましたから、それをあわせると 10年になります。PowerCMS というプロダクトをリリースしてからも 7年。PowerCMS は Movable Type の歴史の半分以上の年数使われてきました。
また、コマーシャルライセンスと個人無償ライセンスのデュアルライセンスで、ユーザーコミュニティが活発であるのも MTの特長でしょう。 思えば Movable Type 4.0のリリース時に東京のイベント(WebSig24/7)に登壇させていただいたのが、私のMTコミュニティデビューでした。
「Web 屋さんのためのMovable Type4」登壇
野田 純生さま
過去登壇したテーマでいま思うことツールはあくまでもツールに過ぎませんが、サイト制作に用いるツールを選ぶことは、制作体制づくりやワークフローづくり、もっといえば会社組織づくりにさえも深く関係しているのだと振り返ってみて思います。
あの時登壇したことが製品リリースにつながり、結果的に会社も(いい意味で)変わってしまったのですから。WebSigに登壇してみてあのときはMT3ベースのPowerCMSからMT4ベースのPowerCMSへの過渡期でした。社内ライブラリであって、まだ製品ではなかったのです。二次会でモデレータの皆様に「売らないのか」「売らないのか」って100回くらい言われたのでカッとなって製品として売り出したらあれから7年で1,000も売れることになりました。
PowerCMSは、WebSigがきっかけで生まれたソフトウェアとも言えます。今日の二次会?でも私を焚き付けてください。きっと何かが生まれるかも。近況皆んながWordPressに夢中になっても、相変わらずMT三昧の日々を送っています。 東京に引っ越す気は全くありませんが、週に3日は東京で過ごしています。誰か遊んでください!
※↑誰か遊んでください! が最重要センテンスです。そこはお忘れなきよう!
この時は MT4 をGPLに、という話題がトピックでした。ちょうど7年前の12月にオープンソース・プロジェクトの開始が宣言されています。
ちょっと日付過ぎてたけど、あれから7年ですか。「Movable Type 4.1 の公開ベータテストと、オープンソース・プロジェクトの開始」2007年12月13日 http://t.co/q5lbyumdZ7
— Junnama Noda (@junnama) 2014, 12月 15
このGPL化は結果としてシックス・アパートにとって忘れたい過去となったのでしょう。WordPressに流れたユーザーが戻ることもなかったという判断もあり、MT6からはMTOSは提供されなくなりました。
さて、大切なことを言っておきますが、2015/9/30にMT5.2系がEOL (End of Life): 製品ライフサイクル終了日を迎えます。EOM (End of Maintenance): メンテナンス終了日は今年の9月に既に迎えており「セキュリティに重大な影響を及ぼすと考えられるクリティカルなバグ」以外は修正されませんし、サポートも受けられません。つまり、MTOS は来年 EOL を迎えます。
さて、部屋と「Movable Type」と私という素敵なタイトルでクリスマスに相応しい「Movable Type Advent Calendar 2014」の最終日エントリーを書いているわけですが、本題は実はここからです。
Movable Type 宣言。
さて、(アルファサード株式会社 代表取締役社長としての)私が、来年も Movable Type にフルにコミットしていく宣言としての5つの約束について書きます!
宣言その1〜Movable Type をもっとパワフルにします。
まず、来年も Movable Type やるぞ! を宣言しておきます。これまで以上に付き合っていくことになると思います。私はプラグイン作者でありコミュニティの一員である以前に、Movable Typeを日本で ? 番目に多く販売している会社の代表者です。 Movable Type 関連の複数のプロダクト、サービスを立ち上げることをお約束します。複数。いくつかはクラウドに関連するサービスになるでしょう。Movable Type と付き合い続けてきたウェブ制作者がより仕事をしやすくなり、クライアントに提案しやすくなるようなもの、Movable Type を少し違う世界に連れて行くようなものに取り組みます。ちなみに今年の振り返りはこんな感じです。結構頑張ってるでしょ? 来年はもっと頑張ります。
- Movable Type 開発者向けツール MTDataAPIDebugger の提供を開始 (アルファサード - アクセシビリティ, CMS, Movable Type サイト構築のリーディングカンパニー)
- PHPerのための Movable Type 講座が本になりました。 - Junnama Online
- MAUS (Movable Type Data APIクライアント) 1.0を公開します。 (アルファサード - アクセシビリティ, CMS, Movable Type サイト構築のリーディングカンパニー)
- HTML Tidyをオンラインで利用するWebサービスとMTプラグイン | PowerCMS ブログ | PowerCMS - カスタマイズする CMS。
- JIS X 8341-3:2010 AA 検証支援ツール 「PowerCMS 8341」を発表〜Movable Type / PowerCMS 上で動作するウェブアクセシビリティ評価プラグイン〜 | 新着情報 | PowerCMS - カスタマイズする CMS。
- Movable Type の管理画面からプラグインをインストールできる PluginInstaller プラグイン - Junnama Online
来年と書きましたが、年末に立て続けに2つ、リリースしました。
まぁ、パワフルにするってことは、もっと売るって受け取っていただいて結構です!
宣言その2〜Movable Type Open Source のメンテナ、PowerCMS サポート兼任担当者を募集します。
前半でも少し触れましたが、MTOSが来年いよいろEOLを迎えるのをきっかけに、アルファサードでMTOS、MT5.2xに対するサポート体制を作りたいと考えています。もちろん、いつまで、を約束することは現時点ではできませんが、まずは以下の取り組みから始めます。
時々の状況によって比率は変わってきますが、PowerCMS サポートエンジニアと Movable Type Open Source(5.2xベース)のメンテナンスを兼務するエンジニア(兼務)を募集します。諸条件等は追って纏めて何らかの求人媒体に出稿しようと思っていますが、我こそは! という方は電子メールで contact@alfasado.jp まで履歴書、職務経歴書、自己PR等を添えてご送付ください。
リンク先のページにも書きましたけど、考えていることはこんなことです。中の人的にはいいね! とかしづらい話題かもしれませんが、コミュニティにとって悪いことやないと思うし、直接商売に影響があるような話しではないと思うんですね。予算なけりゃWordPressかなんかに流れると思うし、中長期で見ればむしろ、いい話しだと思うのです。
- Movable Type / PowerCMS エンジニアの育成
- Webサービスのエンジンなどに利用可能なオープンソースのテンプレートエンジン、ORマッパとしての利用促進
- MTOS メンテナンスの過程で得られた成果・知見の本体へのフィードバック、還元
- Movable Type / PowerCMS の開発者、Web制作者の裾野を広げる
- より実験的な Movable Type、例えばコメントやトラックバックを切り離した小さなMovable Type、あるいはスクリーンリーダーで管理画面が扱えるアクセシブルな Movable Type といった実験的、派生的なプロジェクトの推進
色々考えてのことですけど、DynamicMTML や MT Stidio 相応の時間をかけて開発してて、でも商売になったりせんよなこれ。もしくは、PowerCMSにしたって、そりゃもっとたくさんの人に使って欲しい、でも生活もあるやんか。お金も欲しいし、でもなぁ、とかグダグダ悩んでるくらいならデュアルライセンスでいいから、まず公開してみようよ、って思って。そのプラットフォームがない、とか有償版しかないってのも悲しいし。
宣言その3〜Movable Type のiOSクライアント作る、宣言
今年は Mac App Storeデビューしたというトピックもあるんだけど、MTクライアントのMAUS とか ColorTester とかの寄附ボタンとか、押してくれた人(ありがとうございます)とかの数見てると、儲かる仕事にも思えないわけですが、年末年始の休みを利用して少し取り組んでみようと思っています。API、クライアントなければただの仕様?じゃねーかと思うからです。
宣言その4〜MTを利用してウェブサービス作る、宣言
私にとってのMTは、もはやMTでなく、PowerCMSでなく、開発プラットフォームでありORマッパでありテンプレートエンジンなわけです。であれば、ウェブサービスを仮に作るなら、MTベースで作りたい。万が一ヒットしたとしたらスケールアウトの問題が出てくるだろうけど、最初のリリースの敷居低いから、それこそ当たる当たらん考えててもしょうがないし。
ずっとやってみたかったことだし、アイデアもあるのだ。
宣言その5〜クラウド版のCMS+αのサービスを立ち上げる、宣言
MTはクラウド版あるわけですけど、PowerCMSは現状ありません。AMI や Azureのキットはあるんですけどね。来年は一つ以上、立ち上げを行います。より安心、任せておけるサービスを提供しお客様の選択肢を増やします。
これらの宣言と関係あるかどうかわかんないですが、一人じゃやれへんし、年末の全社会議でも社員に話したけど、来年はピッチ上げるつもりだし、おもしろそうやん、って思ったら一緒に戦おうぜ。よろしくね!
それでは、今年も良いクリスマスを。