忙しいから絵(ビジョン)が描けないのではなく、描けないから忙しいだけだ
公開日 : 2015-03-04 12:06:38
ま、あれこれやってることはバレて? るわけなんですけど、今「第3の創業」という心意気であれこれやっとるわけです。ものすごく働いててものすごく動かしてるってのは、ウチの社員にでも聞いていただければわかると思います。
- 求人広告出稿(欠員の募集)
- 全社員との個人面談、ユニットリーダー制への移行説明とリーダー候補者への打診
- 新サービスに必要なモジュール開発、テスト
- 経営理念、行動指針、理念の策定
- 短期・中期経営戦略の検討
- 人事評価制度の導入決定、人材会社への打診、外部顧問の招聘
- オフィスの移転決定
- 戦略の策定、戦略遂行後のあるべき、ありたい姿のイメージ化
- 東京に居を構えることを決定(部屋を借りて住み始めた)
- 銀行への協力依頼(パートナーの紹介依頼ほか)
- 求人方針の変更、面接、数名の採用
- ソフトウェアチームへの課題出しと、アイデア・ミーティングの実施
- 新事業のパートナー選定
- 外部協力先との新サービス、製品開発プロジェクトの始動(複数)
- M&Aを含む戦略的パートナーの募集、M&A会社への打診、面談(企業買収もしくは業務提携先の募集)
- 商談にて新サービスの提案開始
- 新製品のリリース延期、ユニットリーダーへの権限移譲、予算化
- 組織図の作成
ざっと挙げるとこんなことをやったのですよ。僅か2ヶ月です。で、何でこんなに加速することができたのかについて少し書いてみたい。
組織変革のビジョン
昨年の末から色々と本を読みあさっていたのですが、その中の一冊に「組織改革のビジョン」という本があります。帯の台詞が中々いいところをついているのでご紹介したい。
忙しいから絵(ビジョン)が描けないのではなく、描けないから忙しいだけだ
ね、このひと言が全てを語っているような気がする。ビジョンがないから目先の仕事に言い訳し、大切なことを後回しにしてしまうのです。そして、ビジョンを描いたら忙しくなくなるか、といえばそんなことはないわけですが、大切なことは、忙しくても本来やるべき仕事を後回しにしなくなるということです。そして、忙しくても平気になるのです。
計画のグレシャムの法則〜悪貨は良貨を駆逐する〜
グレシャムの法則「悪貨は良貨を駆逐する」を計画にあてはめたもので
「ルーチンの小さな計画が節目で描くべきより大きな計画を駆逐する」というのがその内容になっている。これを「計画のグレシャムの法則」というのは、元々のグレシャムの法則の貨幣を計画に置き換えた形になっているからだ。
我々のように特にクライアントワーク、受託の広告(Web)制作事業やソフトウェア事業をやっていると、お客様第一の錦の御旗の元に、目先のお客様の依頼事項を言い訳にして自分の大きな目標、それは仕事であっても個人のスキルアップでも何でもいいのですが、そういうのが後回しになってくる。口をついて出るのは「忙しい」「時間があったらやりたい」です。
ビジョンを描き、明文化し、宣言する
そんな時にはまず、ビジョンありきと考えるべきです。日頃の小さな計画の延長に未来があるわけではなく、まず、未来のあり方を描くのです。上記のアルファサードの経営理念の中の一節に「成長を続けながらも変化をいとわず、3年単位でまったく違う景色を見ている会社であり続ける。」というものがあります。3年後に違う景色を見ているために、今までの仕事のやり方でいいか? 良くないです。まずこれを定めてしまい、宣言します。宣言することで退路を絶ってしまう。サイトで公開するだけじゃなくて、わざわざFacebook広告まで打ちました。経営理念のページへ誘導するFacebook広告って売上に直結するわけないのですが、成長のためには強い人材と、パートナーとの関係性構築・強化が不可欠です。弊社は有名か? BtoBの企業がそんなに有名な筈ないです。ブログも書いてる、セミナーもやってる、ソーシャルメディア活用してる、それでちゃんとターゲットにリーチできているか? できてないですまだまだ全然。伝えたつもりになっているだけです。
よく、ウェブページでもパンフレットでも企画書でも「これを謳っておけ」というと、「ここに書いてあります(企画書の隅とか補足チックに確かに書いてある)」とか言う人がいます。目に飛び込んでこないもの、印象に残らないものは「書いてある」だけで「伝える努力が足りない」と考えるべきです。それこそがクリエイティブってもんでしょう。
戦略は、ワクワクするようなストーリーとなっているか
ビジョンが描けたらビジョンを実現するための「短期」の戦略を立案します。戦略は長くて2年、可能なら1年単位で考えます。戦略で大切なのは「風が吹けば桶屋が儲かる」的なストーリーが描けていることです。
※(追記)若干例えが適切でなかったかも。「可能性の低い因果関係を無理矢理つなげてできたこじつけの理論・言いぐさ」を指すことも多い。
←では駄目ですよ。他社が気づかないが(もしくは他社の資産では実現できないが)当社なら実現可能で理にかなった明快なストーリーが必要です。
- 大風で土ぼこりが立つ
- 土ぼこりが目に入って、盲人が増える
- 盲人は三味線を買う(当時の盲人が就ける職に由来)
- 三味線に使う猫皮が必要になり、ネコが殺される
- ネコが減ればネズミが増える
- ネズミは桶をかじる
- 桶の需要が増え桶屋が儲かる
以前、取材を受けた時に「プレスリリース・ドリブン」の商材開発という話しをしました。今から考えると、これでは不十分で、この段階では「話題になるかどうか」というところまでにしか意識が至っていない。なぜ売れるのか、誰が、なぜこれを買うのか、もしくは誰が、なぜこれを売るのかというところまでスッキリと腑に落ちるストーリーまで落とし込まなければその戦略は実現しません。そこが腑に落ちたとき「計画」は実現可能なワクワクするものとなるのです。
実行には「投資」を伴うようにする
もう一点、可能であればそれを宣言するだけでなく、お金やリソースといった投資を伴うものにすることが大切だと思います。Facebook広告なんて安いものですが、オフィスや住居は決めたら短期前払い金で処理することにして全額払ってしまいました(オフィスのほうは今月処理)。社内のリソースが足りなければパートナーを募集して契約を締結し、お金をかけることを決定します。そうすることで「後に引けない状況」を作る。つまり、退路を断つのです。ここまでできれば、あとは突き進むのみとなります。
そこが明確であれば、時間はさほど問題になりません。時間がなければコストを突っ込んででもやる。そうやってスピードを上げて行きます。
最後に、アルファサードでは引き続き戦略的提携パートナーを募集しています。
宜しくお願いします。