門出の日に。
公開日 : 2011-03-18 23:52:59
今日、息子の小学校の卒業式でした。最初の入場の瞬間からお父さんちょっとヤバかったwんだけどな(泣きそうなった)。改めて、おめでとう。そして、元気に卒業式を迎えてくれてありがとう。
卒業にあたって手紙も書いたし、今朝照れながらお前も手紙をくれました。でも、こんな時だからこそ、何となくもう少しだけ伝えておきたいことがあって、こうして書いています。今日、卒業証書を貰うとき「将来の夢は、人の役に立つ仕事をしたいです」って大きな声でみんなの前で言ったんだからなw
テレビや新聞で今回の震災のことは良く見ていると思う。今日、卒業生全員で「祈っています」って言っていましたね。6年生なんだから、何が起こっているのかちゃんとわかっているのだと思います。もちろん現地の人たちの本当の苦しみや悲しみ、辛さは理解できないと思うけれど(それはお父さんも同じです)。
僕がここ数日を過ごす中で、何となく伝えたいと思ったのは、「世の中には正解のないこと、答えのまだ出ていないことがたくさんあるんだ」ってこと。
そして、大人たちは答えを出すためにまだ勉強と試行錯誤の最中だってことです。
学校のテストでは、正解なら○、不正解なら×、中には△で部分点がつく回答もあるけれど、基本は○か×かです。でも、世の中にはどっちが○でどっちが×かわかんないこと、まだわかっていないことがいっぱいあります。
例えば、「原子力発電所は安全か?」という問い。学校では(本当にそう習ったかは知らないのだけれど)基本的に「安全」だと教えられたんじゃないかな。覚えていないかもしれないけれど、近所にある発電所、お前が小さな頃よく一緒にいったけど、そこでも「原発は安全である(このくらいの災害に耐えられる、だから安全なんだ)」という説明があったと思います。では、今目の前のテレビに映し出されている映像は一体何か?
「原発は必要か、不要か?」という問いに対してはどうだろう。
東京の停電や交通事情の件も情報として見聞きしてるよね。電力が不足しているという。
要するに、これにはまだ答えがないんだ。答えはどこかにあるのかもしれないけれど、みんなが納得する答えはまだない。そして、昨日までの正解が、今日も明日も正解であるという保証も、実はない。
そして、こういうことは世の中にはたくさんあるんだな。お父さんの日々の仕事にだって正解のないことだらけです。小学校を卒業したばかりのお前は「そんなこと言われても」って思うだろうけど。
学校で今やってる勉強ってのは、知識を得たり色んなことを覚えたりして、その評価は"正解のある問題に対するテスト"の点数だったりするだろ?
でも、実はこれから生きていく中で、正解のない問題はいっぱいある。それは単に正解が今は見つかっていないだけかもしれないから、自分で、また自分たちで正解を見つけていく努力をしていけばいいんだと思う。
今? 今はね、とにかく世の中で起こっていることを良く見ておけ、と言いたい。目に焼き付けて、色んなことを感じて、色んなことを考えてほしい。一言で「人の役に立つ」っていったって、そのやり方も正解もひとつじゃないし、今、人の役に立つことがどんなに難しいか感じている大人たちがいっぱいいる。
考えてもわからなかったら、お父さんに聞けばいい。僕が正解を知ってるってわけじゃないけどな。でもテレビや新聞が必ずしも正しいわけじゃないし、偉い人が間違うことだってある。お父さんにも知らないことが一杯あるけど、そういうことも含めて、一緒に話そう。
もちろん、よく学び、よく遊べ。基本、それがお前の仕事だし。
そんでな、最後にな、まぁ何だ。これからも、よろしくな。