アルファサード株式会社 代表取締役 野田 純生のブログ


まず5年、自分のために働けば?


公開日 : 2008-05-30 17:37:18


2回目? で既に恒例となった感のある討論会ですね。あんまり真面目に読んでないのですが「10年は泥のように」って言葉が話題のようで。

誰も「我が社に入った人は...」とか言ってるんじゃないんだと思うのだけど、「入社して最初の10年は泥のように働いてもらい、次の10年は徹底的に勉強してもらう」という言葉は会社が20年後も同じくそこに存在していることを前提にした言葉だよね。

もちろん「転職とか会社が存続しなくなって別の会社にいるか独立してるか別にして、10年は...」という意味にもとれなくはないけれど。

ひとつ言えるのは「10年後、その会社、その業種が同じ姿でそこにある時代ではない」ということ。10年後、20年後を考えるのは無駄なことじゃないけど、モノゴゴロ付いて20年も経っていない若い時期に10年20年後を考える必要もない。せいぜいが5年。5年経てば (会社は存続しているまでも) 勢力図は全く変わっているかもしれない。それはどこの業界に行っても同じ。

だからその5年は会社のために働くのではなくて、「自分のために *」仕事の基礎体力をつける時期くらいではないか?

* 勘違いして欲しくないのだけれど、自分のためってのはもちろん「会社で与えられた役割、課せられた責任を果たすことを通じて」ってこと。自分勝手に自己の利益のために働けってことじゃない。

もし初めて働く(働こうとする)会社で20年、30年間スパンのキャリアパスや働き方の話をされたら、ひいちゃっていいと思うよ。だって何の保証もないんだから。僕なら「5年後 (3年後) 会社がなくなってても困らない仕事力をつけろ」くらいに言ってるけどな (実際いつも言ってるな)。

もちろん、会社の規模も歴史も全然違うわけだけど、既に「会社が大きいから安泰」なんて時代じゃないのだと思う。

そして、一方で「個々人の突出したスキル」で勝負したいのであれば、10年、20年を睨んでこんなキャリアパスなんですよ、ってな場所を選ぶのが間違っているのであって「本当に自分が売れると思う人は、そういう個々人のスキルが最大限に生かせる企業に行くといい」というのは全く持ってその通り。そういうところでは、10年20年30年なんてレールがそもそも存在しないのだから、10年後20年後どうなっているかは自分が切り拓いた結果次第 (会社が存続しているかどうかだけではなくて収入とかも結果によって大きく変わる *)。そして、その場合の会社選びは「この人たちと一緒に切り拓いて行きたいかどうか」という視点で選ぶといいのではないかな。

* そのかわりその時になって結果が良くなかったとしても「大手はボーナスが良くていいよな...」とか言うなよ。大きなリターンが得られるチャンスもあるわけだから。

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野田 純生 (のだ すみお)

大阪府出身。ウェブアクセシビリティエバンジェリスト。 アルファサード株式会社の代表取締役社長であり、現役のプログラマ。経営理念は「テクノロジーによって顧客とパートナーに寄り添い、ウェブを良くする」。 プロフィール詳細へ