アルファサード株式会社 代表取締役 野田 純生のブログ


携帯サイト+らくらくホンがウェブアクセシビリティを考える上での大きなヒントとなる。


公開日 : 2008-04-16 10:59:29


参加させていただきました。

今までにも実際のユーザーの方とお話をさせていただいたり怒られたりw色々勉強の機会をいただいたこともあるのだけれど、支援技術の進歩とかウェブの現状が日々変化していっていることを考えると定期的にこういった場で勉強するのは大切なことだと思う。

とりあえず現段階で僕が最も感じていることは表題にもしましたが「携帯サイト+らくらくホンがウェブアクセシビリティの大きなヒントとなる。」ということです。

その他感じたことについて、まだ整理できていないところもあり改めて書くかもしれませんが、以下、メモのようなもの。

代表的なソフトでの読み上げについての実演、紹介を実際のネットショッピングを使いながら行っていただきました。

対象としたのは

ほか。以下、まとまりなくメモしたものを列挙しておきます。

全盲のかた、音声ブラウザ/スクリーンリーダー

  • ファンクション/Ctrlキー等で一時停止とか、スペースで再開
  • タブ、Shift+タブでリンクを移動(結構「勘」重要、というか勘重視)
  • 「障がい」?「さわりがい」
  • ナビゲーションを飛ばすのはやっぱり嬉しい(例:日経。「音声ブラウザの方は...(注1)」)
  • ○○の方○○のかた(ほう)
  • 自治体の広報がPDFだと読めない(読めるものもある>>環境/ソフトの問題?)
  • ブレイルメモ ? 低機能な昔の電子手帳のようなものをイメージすれば良い。
  • 点字が使える(?)人ばかりではない。
  • 全盲の方だけでなく、弱視の方等にも配慮必要
  • ユニバーサルデザインには限界があるのではないか?
  • メール/テキスト?URLクリックするとブラウザ起動等の連携は便利
  • 情報を線で追って行く(凄まじいスピードで読み上げる)
  • メール重要。簡単に情報に入手できる手段。
  • メルマガ、アスキーアートとんでもねぇ。(2chもアスキーアートがねぇ...)
  • 「★」?「クロボシ」(笑)
  • 楽天のページの先頭付近、URLの連続読み上げ>>何のことかわからない(現状は無視してます(注2) )
  • Yahoo!オークションで検索、「一致する商品はありませんでした」なのに、それがわかるまでに時間かかりすぎる[追記](>>解決方法は簡単。title要素に入れておけば良い)
  • Yahoo!オークションで検索、価格.comの広告が出てくる。紛らわしい(価格が出てくるし?価格.comの広告が。○○が○○円から!)、広告見分けにくい。
  • カレンダー読み上げると鬱陶しい。
  • OSだけで出来なきゃ嘘でないか?「痛い出費」
  • コンボボックス(select option〜メニューのこと)
  • 「くわしくはこちら」リンク分かんねぇ。いちいち戻らんといかんよね。面倒。
  • 「ラジオボタン」とかコントロール名称は先に読み上げて欲しいよね。支援技術側の問題。
  • ※(こめじるし)何だよ、それ。
  • IE7。新しいウィンドウを開く時にタブキー移動するとおかしくなる?IE6までは問題なかった(ちゃんと理解できてません>俺)。
  • フォームの最後に「次へ」ボタン。え、これで確定するの?どうしよう、とりあえずやめておこうか。
  • 銀行決済のワンタイムパスワードと画像認証
  • 例えばパスワード情報を電子データで送る(CD-ROMとかFDDとか)

弱視のかた

  • コントロールパネルで黒バック+黄色にしている(文字を白だとどちらかだけしか指定していない場合に見えなくなる)
  • 背景色を指定するなら前景色(文字色)も指定せよ
  • マウスポインタを大きくして、軌跡を最大に
  • 視覚障害者の中にはまだアナログ回線の人が結構いるので、テキスト中心ページにしている(ご自身のお店のサイトで)。

らくらくホン

  • 携帯サイトは使いやすい
  • 音声で読み上げる
  • 読み上げ「選択画面26個」とか
  • らくらくフォンで携帯サイト操作。パソコンより使いやすい。何故なら、
    • 階層化されている
    • 画像少ない
    • 広告が少ない
    • 携帯サイトは僕ら(が携帯サイトを利用している感覚)に近い(短くページ分割されてるし)
    • とにかくリンクをすぐたどれる
    • テキストの画像化もしていないし
    • 画像をオフにするとパケットの節約になる
  • サービス提供者は逆に携帯サイトをPCでアクセスできるようにしたらどうか?(注3)
  • 携帯サイトの場合は画像認証等がなぜか少ない
  • マウスオーバーとか、うまく読み上げられない、買い物出来ないじゃん。
  • 楽天、Yahoo! 一応使いやすい部類?というより、使いやすくて欲しいものがないより、使いにくくても欲しいものがあるところを使いたい。要するに、使いたければ使いにくくても使う。
  • 構造が変わると覚えるのが大変。サイトを乗り換えも大変(注4)
  • 例えばYahoo! なら50行目に飛んで読めばいい(そこまでは広告)。
  • おそらくJavaScript/Flash?使いにくいサイトが増えて来た。
  • リンクテキストがうまく指定されていないのでURLを最後まで読んで想像。
  • (サイトの制作費を下げるために)製品の説明をカタログの写真とかにしないで欲しい。
  • 著作権の問題?テキスト抽出不可のコンテンツ
  • カタログがせっかくPDFであげてるのに、画像をスキャンしたものだったらお手上げ。
  • PDFはやはり読みにくい印象(注5)

注1:ユニバーサルデザインの考え方で行けば、音声ブラウザの方はこちらから...って(表現)のは僕自身はどうかと思う。純粋に聞いた人がどう感じるかの問題だけど。
注2:楽天市場のトップからどこかのショップに移動すればわかると思うが、これはヘッダ部のイメージマップの要素にalt属性がないのでURLを読むのだろう。
注3:僕も常々思って来たしこれまでも書いて来たけれど、これは実は非常に重要な指摘かと思う。携帯サイトは読み上げて使うと使いやすいのだ。100個のメニューを1ページで与えられるより(100の選択肢)、10個のメインメニュー、2階層目に10個のメニュー(最大でも20の選択肢)の方が圧倒的に「ユーザビリティ」が高い。あと、らくらくホン、良く出来てる。
注4:リニューアル注意。
注5:せっかく?なのでNaked (ウェブコンテンツ・テキストバージョン・ジェネレーター) の紹介をさせていただいた。



このブログを書いている人
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野田 純生 (のだ すみお)

大阪府出身。ウェブアクセシビリティエバンジェリスト。 アルファサード株式会社の代表取締役社長であり、現役のプログラマ。経営理念は「テクノロジーによって顧客とパートナーに寄り添い、ウェブを良くする」。 プロフィール詳細へ