アルファサード株式会社 代表取締役 野田 純生のブログ


だから、Googleは神なんかじゃない。


公開日 : 2006-05-17 18:32:07


僕の場合、素朴な疑問、じゃなくてハっとしたこと。 ※引用した記事の「本質」とは違う話なのですがあしからずご了承くださいませ。

My Life Between Silicon Valley and Japan すべての本がスキャンされて「あちら側」に格納されて検索できるようになったら

The dream is an old one: to have in one place all knowledge, past and present. All books, all documents, all conceptual works, in all languages. という夢は実現され、限られた人々にだけでなく、すべての人に、過去の叡知たる書物の内容すべてが提供される時代に向かっている。ただスキャンされただけでは使いようがない厖大な情報も、検索エンジンの成熟とさらなる発展によって、それが世界中のどんなデバイスからも簡単に本当に利用できる価値として提供される時代が来るだろう。

読み流してしまうところだったが、何かが頭にひっかかった。 世界が100人の村だとしたら

もし、現在の人類統計比率をきちんと盛り込んで、 全世界を100人の村に縮小するとどうなるでしょう。 その村には・・・ 57人のアジア人 21人のヨーロッパ人 14人の南北アメリカ人 8人のアフリカ人がいます (中略) 80人は標準以下の居住環境に住み 70人は文字が読めません (中略) そしてたった1人だけがコンピューターを所有しています

統計的なことは知らない。本当に「100人あたり1人がコンピューターを所有している」のかどうか僕は知らない。 ただ、最後に「 in all languages.」と書いてあるわけだが、これを何も考えずに(あるいは自分たちの「常識」から離れないで) 『限られた人々にだけでなく、すべての人に、過去の叡知たる書物の内容すべてが提供される時代』 といってしまう私たち。 ウェブは万能じゃないしウェブがすべてじゃない。 だから、Google は神なんかじゃない。 常識にとらわれている自分自身への自戒の念を込めて。 言葉の挙げ足をとるつもりではなくて、これをスっと読み流して頷いてしまってはいけないんじゃないかという気になったので書いてみた。

  

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野田 純生 (のだ すみお)

大阪府出身。ウェブアクセシビリティエバンジェリスト。 アルファサード株式会社の創業者であり、現役のプログラマ。経営理念は「テクノロジーによって顧客とパートナーに寄り添い、ウェブを良くする」。 プロフィール詳細へ