アルファサード株式会社 代表取締役 野田 純生のブログ


ノマド、オフィス、名刺の住所、セルフブランディングとか、足立区とか。


公開日 : 2012-04-17 12:10:56


野田純生の名刺

「ノマド」が話題ですが...

足立区云々が話題? になっちゃってますが、個人でもアルファサードのような小さな会社でも、"どう見せていくか" ってのを考えることが大切な件について僕は賛成です。ただ、見せ方先行になっちゃわないように気をつけないと実体の伴わないものになっちゃう。

そういう意味では名刺に「港区」って刷るためのバーチャルオフィスがいいとは(僕は)思わない。港区には港区の物価があって、それなりの地代家賃がかかるわけで、その"+のコストをお客さまが負担してでもあなたに仕事を頼みたいという+の価値がその立地にある" というケースであれば意味があると思う。

アルファサードのオフィス歴(東京編)

僕はフリーランスではないのですが、オフィス暦、どう考えて今の場所に辿り着いているかについて少し書いてみる。 設立当初から東京の仕事はよく受けていて、当時はインターネット回線付きのホテルか時間貸しのレンタルオフィスを利用していました。大阪に1名スタッフがいるだけで、東京ではひとりで行動だったし。

東京オフィス4カ所目の自分が考えるオフィスとか立地とか

最初に定住? したのは西麻布のレンタルオフィス。共用のミーティング室があったこととイニシャルコストがかからなかったことを重視しました。 あと、大阪からの移動が前提なので、通いやすいこと。東京駅から二重橋前まで歩いて乃木坂まで一本。出張費のことを考えて、マンションを借りて一室を仕事スペースにって考え方もあるけど、雇用することを考えていたし、誰が昨夜オッサンが寝ていたとなりの部屋で仕事したいか? となればやっぱりオフィスタイプがいい。 でも、逆に取引先として考えると、特に仕事をいただく得意先がレンタルオフィスとかだとやはり不安があります。港区にレンタルオフィスだったら足立区に賃貸オフィスの方が良い。仕事をもらう側としてはそういうことを考える。資本金にしても今は縛りがないので資本金1円だって株式会社名乗れる。受託の仕事がっつりして未回収なんてことになったら死活問題です。そういうことを考えるあたり、自分が古いタイプの人間なのかもしれんですけどね。 その後赤坂に賃貸オフィス借りて2年、その後乃木坂(六本木七丁目)、現在は神保町です。 賃貸オフィスの移転についてはそれぞれ以下のような理由がありました。 赤坂のビルが築40年以上と古く、地震の揺れが酷い。耐震基準が改正された後に建てられたビルに移転したい。あと、ワークスペースと打合せスペースを分けたい。男女のトイレが別なこと(これが意外にないのです東京だと)。それなりの大手さんとの取引が増えると守秘義務や個人情報保護の観点から執務スペースに来客を招いて打合せしないといけないってのが問題になることがあります。立地については大阪からの移動に便利なことが前提ですが、それよりも増えてきた社員が通いやすいことが優先。そしてクライアントと近いことも重視しました。

クライアントに近い、はそれほど重要ではないかも

ただ、クライアントと近いこと、というのは後から考えるとあまり意味のないことだと思うようになりました。何故なら「近いから仕事を依頼したい」 ってケース、これまでにいくつかありましたが「近いこと」を第一に挙げてくる人ってのは「今から打合せしよう」「今からお伺いしていいですか」「今から来てもらえますか」って言いたいのです(そういうケースが多い)。もちろん必要な打合せは必要なわけでそれを否定するつもりはないですが、ちゃんとしかるべき準備を持って必要な打合せを適切に行えば、特段近くである必要もなく、地方だって構わんのです。 ただ、六本木七丁目のオフィスの時は、お客さまが打合せによく来てくれたというのはありますね。何故だか金曜日の夕方からの打合せを希望される(笑)。郊外のお客さまほどそういう傾向がw あと、アクセスが良いってのはやはり武器です。僕はオフィスを選ぶ時 "新宿と渋谷は避けてくれ" って言ってましたけど(これは単純にこの2カ所の街が個人的に苦手、という理由によるもの)、新宿、渋谷あたりの会社さん多いからアクセスしやすいことについては重要視しました。 乃木坂→神保町への移転は、立地ではなく単純にマッチする物件がたまたまそこにあったから。人が増えてこれ以上の増員が無理になってきたし、これまでに挙げた条件はすべて満たした上で、15人程度で勉強会なんかが出来る会議室スペースが欲しかった。大阪オフィスとビデオ会議が気軽にできる設備も作りたかった。また、清掃が入ってくれるビルにしようと思っていました。このくらいになると借りる側もビルのオーナーや管理会社を見るようになってきて、オーナー会社の経営状態が良いか良くないかということも考えるようになりました(短期前払い金とすることを決めていたので)。 大阪(淡路町)のオフィスも一昨年前に短気前払い金としています。ノマドとかレンタルオフィスの場合、地代家賃や設備関係がすべて経費にできるという面もありますが、利益が出た時に短期前払金で次年度の家賃を経費に計上することで財務的に強くなれるというオプションもあるのですね。ただ、これ、ビルのオーナーの経営状態が悪かったりするとリスクになります。

名刺に拘ることについて、あるいはスーツ着ることとか

名刺ですけど、Web界隈の人、凝った名刺もらうこと多いです。でもセミナーとかのスピーカーとかしててその後名刺交換しただけじゃはっきりいって印象に残りません。月に数十枚、年間数百枚名刺交換してますもん。やっぱりその後のコンタクト、メールでもFacebookでも構わないけど、ちゃんと後のケアして、できれば一回会って話す機会を作るのがいいと思います。デザイナーさんやコーダーさんだったら"作品やポートフォリオを見て欲しい"とか、単にランチとかでもいいけれど、そういう機会作ることが仕事に繋がると思う。オフィスの立地にしても、そういう機会にちゃんと合理的に語ればどこだっていい。 服装は、まぁTPOだしどういったクライアントから仕事をいただくかによるけれど、Web業界の場合逆にスーツが目立っちゃうこともあるし、僕は好んでスーツ着てましたね。あれは、敢えて、です。

結局のところ、場所がどこであれ服装がどうであれ、理に叶っていることが重要

オフィスを構えるか、地方にとどまるか、東京に出るか、立地をどこにするか... 答えはないし、人によるんだけどね。今、俺たちはこう考えて、こういうスタイルで会社やってるよ、もしくはフリーでやってるよってことをちゃんと語れないと、借り物のブランディングじゃ化けの皮がはがれちゃう。自ら考えて、自分を表現していくことが大切だとおじさんは思うよ。



このブログを書いている人
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野田 純生 (のだ すみお)

大阪府出身。ウェブアクセシビリティエバンジェリスト。 アルファサード株式会社の代表取締役社長であり、現役のプログラマ。経営理念は「テクノロジーによって顧客とパートナーに寄り添い、ウェブを良くする」。 プロフィール詳細へ