ジョブズとAppleと私

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はじめて触れたのは大学の先輩のColor Classicだった。当時は何がいいのかわかんなかったけど、とにかく先輩は"これがとてつもなくいいんだよ"ということを強調していたのだった。動かして見せてもらったのはHyperCard。"Color ClassicなのにHyperCardはないやろ"と今なら軽くツッコミを入れるところだけど(HyperCardはモノクロ)、何だか先輩が「宗教にハマっているみたいな感」は当時も感じましたね。

働くようになって、今度は職場でQuadra650を触る。当時の会社ではこれは企画書作成マシンだった。これは文系の自分にもすんなり入ってきた。クラリスワークスver.1のドロー機能やマックドローIIで見栄えの良い企画書や図面が作成できるのだ。それからはじめて個人的にMacを買った(LC575)。

その後Power Mac8100/100AV(その後こいつを差してG3に)、Power Mac G4(これは一人でアルファサードを始めた時の初代会社のマシンになった)、iBook→MackBock Pro(15inch)、MacBook(黒)→MacBook Pro(13inch)ときて今ココ。iPhoneやソフトウェア(HyperCard2.3のパッケージ版とかも買ったっけ)を含めてその他色々なAppleの製品を愛用してきました。

僕はジョブズのことは雑誌や書籍、ネットに書かれている情報くらいしか知らないしもちろん会ったこともないけれど、一度もWindowsマシンをメインにしたことのないMacユーザーで、Windowsにシェアを奪われ続けて鬱屈としていた当時を味わっていたApple製品ユーザーとしてちょっとだけ書いておきたいと思って久しぶりにブログの管理画面にアクセスした次第。

実はジョブズは何も作っていないという見方(それ、Windowsでもできるよ)

ウォズアニックがApple(I/II)やMacintoshを作ったとかそういう話ではなく、ジョブズのAppleが作ったもので"どこにもなかった機能"ってのはないですよねきっと。コンピューターで"プレゼンができる"とか"ゲームができる"とか"インターネットへアクセスできる"とか"WWWをブラウズできる"とか"メールできる"とか。iPhone以降でも、"電話できる"も"音楽聞ける"も別にAppleができるようにしたわけではない。

当時のWindows派との会話の噛み合なさってのはもうとにかく一事が万事こんな感じで

カッコいいプレゼンができるよ?
それ、Windowsでもできるよ。
動画の編集もできるよ?
それ、Windowsでもできるよ。

逆の会話もあるんだけど(それMacでもできるよ)。結局、Macintoshに何ができるかを見てWindowsがそれを機能に取り込んでいくことで結局どっちでもできるよ、ってことになってしまうわけです。自治体や官公庁なんかのCMS案件なんかで「機能要件一覧」みたいなものがあって「○○ができること」「○○できる機能を有していること」なんかが一覧表で条件としてついてくるのと一緒ですが、結局「何ができるか」ベースではあとは価格だけ、ということになってくるんですね。だから(もちろん色んな背景があったのではありましょうが)当時Macはシェアを奪えなかった。

ジョブズのApple(ジョブズが、とは敢えて言わないけども)が作ってきたものってのはすべて"どのように"じゃないかと思うのです。インターネットに繋げるパソコンは既にある。だが、買ってきてケーブル一本繋げばすぐにインターネットにつなげるパソコンはなかった(iMac以前は)。

"どのように"は説明しにくいんですよね。だから話も噛み合ない。MacとWindowsの話でいつも思うのが「Windowsマウスに2つボタンがあって(正確にはWindowsではなくハードの話ですが)、右クリックができる」という話です。マウスのボタンが多ければ価値があるんだったら対抗してボタンを3つにすれば優れたものになるわけですがそれはさすがにそうはならないですよね。

"どのように"は「ユーザー体験」と言い換えることもできるかと思います。単なる操作における使い勝手に留まらず、例えば「買ってきてケーブル一本繋げばすぐにインターネットにつなげるパソコン」というのは、電器店やAppleストアでiMacを買う、配送されて家に届く、といったところから、「おい、繋がったぞ。Yahoo! が表示されてるよ」まで、さらにはそこからはじまるiMacライフまで。ジョブズが作ったものってのは、こういう体験、ユーザーのライフスタイルを含んだユーザー体験なんじゃないかと思うのです。

だから、ビジネスシーン(つまり会社のパソコン導入)でMacは勝てない(勝ちにくい)。導入されるとしたら、従業員のユーザー体験向上が生産性や利益につながるんだということを気付いた企業だけなんじゃないか?

もしジョブズが...

こうなってしまったことは僕個人にとっても残念で、もっとジョブズのAppleを見たかったというのが本音です。ただ、本当に残念なのは、不謹慎を承知で書けば、例えばジョブズが年老いて体が動きにくくなったり視力や聴覚が衰えたりして、それでも生きていたとしたら、アシスティブ・テクノロジー(支援技術)はどのように進化していっただろうか、ということを思うのです(VoiceOverというインターフェイスはありますが、こいつはどう進化していくのだろう)。勝手な想像ですが、ジョブズはその時「アシスティブ・テクノロジー」という表現をとらないんじゃないかと思います。「支援技術」ではなく、そもそも、誰でも、当たり前に使える何か。そんなものを見てみたかった気がします。

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このページは、Junnama Nodaが2011年10月11日 15:51に書いたブログ記事です。

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