ウェブ業界はどこを向いているのか、は知らんのだけれど。

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力のある奴をそれなりの報償で連れて来てそれなりの案件やサイト、クライアントにあてがえば会社が回るってそれいつの時代のジャイアンツ野球?

どちらにしても実務経験に乏しい学生の中から人材を見つけるのはバクチと同じであって、少人数の企業が人材を集める方法としては、非合理と言わざるをえません。

この部分に限って言えば根拠に乏しいと思うし、少なくとも僕の考えは違います。ここを放棄している会社に先があるとは到底思えません。

すると、多くの場合は Find Job! のような求人サービスを使ったり、保証があれば伝手に頼ったりする方が多いのではないでしょうか。

「伝手」の方はともかく、『Find Job! のような求人サービス』で『クライアントの要望をヒアリングして自社の提案を導き出すといった、知識集約型の業務フェイズだけで請求の費目を上げられるくらい』の仕事にたえうる人材が、『ネットバブル期以降に創業』した新興の制作プロダクションになんかくる筈がないのです。

求人サービスに登録してスカウトを待ったり広告をみて「ポチっと」応募をしたりしている人ってのは一定の人々がぐるぐる回って市場を形成しているのであって、この業界でほんとうに出来る人ってのは市場を経由せずに行き先を決めてしまうか、さっさとフリーになるか、はてまた会社でも作っていることでしょう。

だから、繰り返すと『『ネットバブル期以降に創業』した新興の制作プロダクションが『Find Job! のような求人サービス』で『事業本部長クラスか経営者に匹敵するスキル』を持った人間を採用出来る筈がない』のです。

かといって『Find Job! のような求人サービス』で採用することが無意味なことではなくて、実務経験のない学生でも多少の『労働集約型業務』経験者でも良いのですが、伸びしろを持ちビジョンに共感出来る若い人材を見つけて採用することには意味があります。

どのみち、どんなに出来の良い人間を集められたとしても「自力で人材を育成出来ない制作プロダクション」がこの先やって行けるはずがありません。「出来が良い」のは、あくまでもその人でありその人を育てたこれまでの環境であって、プロダクションの出来が良いわけではないからです。

そして、これが一番大切なことなのですが、「人材の出来不出来」であーだこーだ言っているうちは、それは「経営ではない」のです。

どこへ行っても通用する人材にとっては、「この会社が自分の(金銭を含めた様々な)価値を最大化できる」場所であること。そうでない人材にとっては、「この会社であれば世間 (クライアントや市場と言い換えても良いでしょう) に通用する仕事ができる」。そういった「何か」を持っていなければ、出来る人材をつなぎ止めておくことも出来ないし、働く人にとっては「たまたま今ここで働いているけれど」という前提付きの仮の居場所にしかなりません。

『そういった「何か」』というのが即ち「長時間労働や従業員の報償を抑える」意外「魔法」であり、それを従業員側でなく経営側が提供できることが魔法を使う資格なのです。

例えば、従業員はさっさと帰って高い報償を得て、経営者が徹夜 * 、安い報償で働くってのも魔法の一種です。それでも逆のケースよりはなんぼかマシです。僕はごめんですが (そんなの本物の魔法なわけないし)。

* 経営者が徹夜ってのは冗談ですが、「従業員はさっさと帰って高い報償」を得られる職場や環境、ノウハウを確立するってのも経営側の大切な役割の一つなのではないでしょうか。

そのようにしてしか販路を開拓したり維持できない制作プロダクションは、遅かれ早かれ次のような対策をとるしかなくなります。第一に、コストなしという意味でのサービスを実現するため、工数がかかっても人件費が膨張しない魔法を使います。

工数とコストがかからないのが魔法です。労働時間が短縮されて収益性が上がり、アウトプットのクオリティが上がり顧客満足度があがれば良いわけです。そのためにプロセスの分解をしてノウハウを総動員して「ならではのやり方」を確立するのが仕事というものです。そしてそれは『労働集約型』の場合特に顕著に結果として現れてきます。

逆に『知識集約型』の落とし穴として、クライアントに対する『知識集約』に熱心なのはいいとして、自社のマーケティングや人材戦略に対する『知識集約』が出来ないというのがあります。自社のサイトが「作成中」状態のままだったり、ちゃんと欲しい人材へのメッセージが表現出来ていなかったりして。収益性や事業効率を自社のサイトを通じて改善出来ないものがどうして顧客の何かを改善できたりするのでしょう?

クライアントに対する『知識集約』に熱心な理由は、それが稼ぎにつながり満足が得られるからです。但しそれはあくまでも目の前の満足に過ぎないことを忘れてはなりません。放置したツケはやがて自分たちを疲弊させ、競争力を奪うでしょう。

そして、もうひとつ。『知識集約』は展開・育成するのが困難です。事実、経験者を見つけ、採用することにやっきになって、育成するのは現実的でないとかバクチだとかいう認識になってしまう会社の多いこと多いこと(ふた言めには社員の出来が悪いとかなんとか)。


ちょっとだけ話を変えます。ここ大切な視点なので。

前回は発注側に対して、ウェブサイトを自社の事業(部署)として運用すべきだという話を展開しました。

発注側は確実に変化していて、事業に本気なところ程社内にそういった部門をツクり、組織化しようとしているように感じます (そういったクライアントと仕事をすることが増えています)。

これは即ち「制作会社の人間にそんなものを期待しない」という流れです。そうなった時に、クライアントが制作会社、制作プロダクションに求めるものは何でしょうか? 大した力もなくクライアントの担当者程本気でもない上流工程の『知識集約型』人材でふくれあがってコスト競争力の無くなった制作会社を切る * ことか、数少ないウェブ業界の『知識集約型』仕事をこなせる人材を引き抜くかです。

* そのかわりに (例えば) クライアント自身の立てた事業戦略をスムーズに理解し下流工程までをカバーできてコスト競争力も高い発注先をピンポイントで新たに見つけるのです。

その時、どこで勝負しますか?

結局のところ、それがどんな業種であろうと『型』であろうとクリエイティビティを発揮すべきポイントは無数にあって、どの方向を選ぶのが正解なんてものはありはしないのです。且つそれは時間とともに変わって行きます。


そもそも5年以上のあいだ事業継続しているウェブ制作プロダクションがどれだけあるのか疑わしい

ようやく5期末を迎えようとしている段階で偉そうに言えたもんじゃないですけど。 今期は例えばFind Job! から入って来た若いスタッフがちゃんと結果を出せた期だったということを最後に付け加えておきたい (もちろん自社サイトやBlog経由でやって来たのも含めてね)。もちろん報償にもきちんと反映するし、ルールも決めてある (だからこんなこと書いてるわけだけど*) 。

* 業界のことは知らんが。というか何でこんなに業界にこだわる人が多いんだろう。

しかし、人材不足を悪化させないように現在の従業員の待遇を上げて流出を防げるかと言えば、殆どの制作プロダクションではそんなことをする余裕がないと言えるでしょう。

人材不足を悪化させないように従業員の待遇を上げる、という思考になった時点でもう負のスパイラルまっただ中です。従業員の待遇が上がるのはシナリオ通りであるべきで、それ以上の理由が必要だとしたら、その時点で負けているのです。


追記:
えーっと、ちょっと意識的に長めに書いてみたけど...読むのしんどかったよね、ごめんなさい。

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このページは、Junnama Nodaが2008年5月12日 20:35に書いたブログ記事です。

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