ニッポンIT業界希望論。

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かなり出遅れたけど、忙しかったんだよ、いやほんまに。

今の時代、無料で利用できるサービスが一番クオリティが高いというのは偶然じゃない。

まさか!

「Google」でも「Microsoft (無料じゃないが)」でも「ニコ動」でも「はてな」でも「mixi」でもいいけど、例えば自分の心臓を動かしてくれるソフトウェア(極端な例だけど、命に関わるシチュエーションでの医療の現場とか) だったり自分の全財産とか命(生活)賭けた商売のインフラたるソフトウェア(金融系のシステム)とかに求められるものを捨てることによって好きなことを追求出来る(イノベーションの追求と言うのか?)立場と、SIerが必要とされる仕事を同列に論じるあたりが何だか、ではないかい?

例えば。1年365日のうち99%稼働して99%正しい結果を返すインフラやシステムを構築するコスト、そこから0.1%ずつ数字を高めて行くコストを考えると後者の0.1%にはすんごいコストと責任がついて回るってことは気づいてるよね。でも敢えてそこは捨てて、もっと言えば儲からなかったら撤退しちゃえ、バグがあってもリリースして反応見ながら改良していけばいいし、あ、それも駄目だったら撤退しちゃえ、っていうあたりがWeb2.0の一面でもある。もちろんそれは別に悪いことではない。

トランザクションとかのこともそうだけど、例えばGoogleにして「すべてのサーバーの検索結果が常に同期していなければならないシステム」ではなくて、各サーバーの検索結果が違っていたらそれをGoogle Danceとか言ってくれる(今はどうか知らないけど)とか、「はてな」「mixi」が重くて接続出来ない時があったとして、怒られることもないし(ユーザーが不満を言う程度のことはある。でもそのユーザーの多くはそれを「無料」で使っているのだ)。

敢えてそこを捨てることによって新しいサービスを産み出す時間とかリソースとかを産み出して新しいことをやってるサービスと(もちろん分かってやっているのだ)、最初に予算と責任と対象範囲があってそれをクリアするためのシステムをつくるビジネスを同列には語れない。

あなたの症状を入力してくれたら適切な処方箋を検索結果から自動判断してあなたに自動的に投薬します、とか、自社で構築した安価なハードウェアの上で、当社のWeb2.0エンジニアがAjaxを駆使して革新的なUIを実現したウェブアプリがあなたの身体に埋め込まれたペースメーカーをコントロールしますってな世の中はまだどこにもない(極端な例だけどね)。

Web2.0の側だってそのあたりは当然分かってやっている筈で、だからこそ「ユーザーが増加し、収益もある程度安定してきた」段階で「インフラに投資しよう」という判断がなされることもある(もちろん悪い意味で言っているんじゃない)。

もちろん「速く」「落ちない」サービスが理想だけど、場合によっては「速い」が「落ちない」よりもプライオリティが高くなる場合もあるということは覚えておいた方が良い。そしてその方が喜ばれるシチュエーションだってあるのだ。そのような現場では「新しくて革新的なもの」が他のものに優先されることが、ままある。

逆に、金融システムとか医療関係のシステムとかでもそうだけど、確実に不具合なく動くこと(もちろん絶対ってなものはないんだけれど)を求められる現場では、「こう書いた方がスマートですよ」「新しいこの技術を使えばこんなことが実現出来ますよ」ということが「今これでちゃんと動いているんだから新しいものを導入する必要なんてどこにもない」という言葉に勝てないことも多いだろう(想像だけど)。

もちろんSIerさんの仕事の全てがすべてこのようなクリティカルなサービスばかりではないのだが、一つの「文化」としてそういうこともあるのではないかと(自分は経験がないので外野の勝手な発言だけど)。そんな風に感じたりもする。

少なくとも僕は『自社で「なるべく安く」構築したインフラ』で構築・提供されたサービスを楽しく利用することはできるが、そのシステムに自分の命や財産を預けたくはないし、検索結果から機械的に判断した処方箋を元に調合された薬を飲みたいとも思わない(それが技術的にどれだけ凄いものだとしても)。

将来があるかどうかとかそれが面白いかどうかは別にして、「枯れたアーキテクチャの上で動いていて安定していて安心して使える」「顧客オーダーのソフトウェア」を我々はまだ必要としていて、そこを支えているのがSIerさんであり受託開発系のIT企業であり、そこに属するプログラマたちである、と言うことはできないだろうか。それをベースに業界論を展開するべきだろうし、そこに例えば「Google」を持ち出すのは「飛び道具」使ってるような感覚になるのだよ。

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このページは、Junnama Nodaが2007年11月23日 00:49に書いたブログ記事です。

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