「Web標準準拠」というビジネス。

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Web標準準拠サービスで検索してみる。

  • Web標準準拠サービス の検索結果 約 952,000 件

何だかここ数年で増えたなと思う。JIS X 8341-3の影響なのかウェブアクセシビリティへの関心の高まりという面もあるしSEOという側面もあるのだと思う。しかし制作会社がこれをメニューとして掲げることがどの程度ビジネスに繋がるのだろうか。

これらのサイトを見ていると、多くのサイトが以下のような説明をしている。

  1. XHTMLとCSSで文書構造とデザインを分離する
  2. アクセシビリティが向上する
  3. ファイルサイズが小さくなりサーバースペースと帯域を食わないようになる
  4. ページの読み込みとレンダリングの高速化
  5. メンテナンス性の向上
  6. SEO効果

1番目はメリットというより「何をするか」の説明である。
2〜6は確かにメリットとしてそういう面もあるかもしれないが、どうなんだろう。「アクセシビリティ」については、見出しをきちんとマークアップすることで音声ブラウザ等の使い勝手は向上するが、Web標準イコールアクセシビリティ向上とは言えないのではないか。仕様に準拠すること以外にやることはたくさんあるはずだし。
3,4はメリットとしてはいかにも弱い。容量の数キロバイトの節約より大切なものは沢山あるというクライアントは多いだろう。
最近の高性能なPCと優れたレンダリングエンジンは、フルCSSのレイアウトも複雑なテーブルレウアウトも「その差がわからない程高速に」レンダリングしてくれるだろう。

「6.SEO効果」はもはや効果があることすら疑わしい。もちろん意味が無いとは言わないが、コンテンツの価値(=順位)は仕様への準拠度で変わるものではない。

何がいいたいかと言うと、「制作者の自己満足でサービスを企画しているだけではないのか」ということを感じずにはいられないのだ。

「私たちはこんなことが出来ます」といっているだけで、クライアントにきちんとその効用を伝えられているところ、またそのメリットをクライアントの利益につなげることができるところはまだまだ少ないのではないだろうか。

その点では「5.メンテナンス性の向上」が唯一わかりやすいメリットか。

ただしオーサリングツールの問題からか「フルCSSでレイアウトしたらいつも使っている○○(←オーサリングツールの名称)で編集できなくなった」とか、「レイアウト調整が難しくなった」とかのケースも出るかもしれない。こうなるとやはり「制作者の自己満足」なのだ。本末転倒。

それでは、Web標準準拠サービスは無意味なのか? いや、そんなことはもちろん無いと思う。でも、それをメニューとして掲げるのであれば、もっと明確にわかりやすいメリットがないと自己満足に見えてしまう。

では、お前はどうなんだ?

ウチの場合制作のクオリティのひとつとしてWeb標準やアクセシビリティを強調することはあっても、「Web標準準拠サービス」なんてサービスメニューなんてつくろうとは思わない。

「わかりやすく構造化されたコンテンツは再利用しやすく、色んなデータに転用しやすい。リニューアルなんかすごく楽。携帯用に変換するのも楽だし、例えば全文検索の精度を高めることでユーザビリティも高めることが出来る。」くらいのことは言う。

例えばWebサイトのリニューアルにおいて。

  • 用意されたデータの構造を分析し
  • リニューアル後の姿へ持って行くための処理を検討・設計し
  • 何をどうリニューアルするかを定義し
  • そのためのしくみ(プログラム)を書き、実行する
  • リニューアルデータはプログラムによってCMSにインポートされ、その後の修正も楽に
  • データはCMS/DB化され、高速で精度の高いサイト内検索も可能に

と、こんな仕事が最近増えている。
このような仕事がスムーズに進むかどうかは、ひとえに「リニューアル前のデータがきちんとした設計のもとに(それこそ「Web標準」に準拠して)つくられていることがとても大切である。

結局、こういう場合の効果が一番分かりやすいな、と最近つくづく思う。以前はそんなにしっかりした「リニューアル前データ」なんて無かった。最近はそういうケースが出て来ている。工数もコストも短縮できるから、クライアントのメリットとしてはこれほど明確なものはない。つまり「Web標準は安くつく」のだ。

もちろん、「それ相応の実力」があっての話であるけれども。

あくまでも「Web標準」は手段であり「目的」こそが最も大切、そこへどんなソリューションをどんな技術(とコスト)で提供するかが受託制作の本質なのだ。

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このページは、Junnama Nodaが2007年2月19日 23:30に書いたブログ記事です。

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