アルファサード株式会社 代表取締役 野田 純生のブログ


ネットメディアにはメットメディアとしての媒体の姿があるわけだし「ひと文字いくら」にこだわっている書き手の方にこそパラダイムシフトが必要なのではなかろうか。


公開日 : 2006-06-14 22:57:35


みなさん、さようなら。ブログ連載から降ります。:烏賀陽(うがや)弘道の音楽コラム http://www.actiblog.com/ugaya/7007

これははっきり言って「原稿料の価格破壊」です (中略) ぼくはだいたい2000字はきっちり書いていましたので、400字詰め原稿用紙に換算すると、5枚。一枚あたり何と1000円を切っていた。これはもう、ジャスコ夏のクリアランスセールも真っ青の超御奉仕価格であります。

AFPBBといえば、フランス国営通信社であるAFPと、日本のIT産業の覇者・ソフトバンクがタッグを組んだ、言うなれば日本のインターネットニュースメディアのフラッグシップになりうる存在なのです。

ネットのニュースメディアに「紙」の論理を持ち込むこと自体が間違っているとは思わないのだろうか。

雑誌が一冊出版される。そこには、あるライターが書いた記事が掲載されているが、同時にグラビアアイドルの水着写真が掲載されているかもしれない。アイドルの水着写真だけを目的に雑誌を購入した人にすれば、ライターの書いた記事は無意味である。ある購入者にとってはライターへの原稿料は単に払わされている余分なコストなのかもしれない。 ネットの場合はそうでは無い。少なくともアイドルの水着写真が見たい人はライターであるあなたの原稿を見ないで済むのだ。リンクだって今どき「当ニュースサイトへのリンクはトップページにのみこれを許可」とか書いてあるかどうかは別としてみんな該当のページをブクマしたりリンクしたりしているわけである。 逆に、ライターであるあなたの原稿も、水着写真の有無にかかわらず評価されるのだ。あなたのページには直接リンクが貼られ、言及され、トラックバックされ、ブックマークされる。 本当はあなたの原稿が読みたいのに、水着写真のモデルやカメラマンへのギャラを払わされている購読者にすれば、あなたの原稿だけを切り取って読めればそれに越したことはない。本屋であなたの書いた原稿が掲載されたページを切り取って買うことはできないが、ネットではそれができるのである。 印刷代(ネットメディアにしても 『わずかな』インフラコストが必要だが)、物流コスト、宣伝費、編集者のコストや出版社の利益等がかからないことを考えると、いわゆる「マージン」が不要になり、読者へ直接届けるためのメディアを持てるのだから、別に(本当にあるかどうかわからないような)「メディア」の権威等に中間マージンを払うこと無く、自分でメディアを持てばよいのではないかと思う。 原稿料なんてAdSenseでもアフェリエイトでも何でも稼げるではないか。 例えば雑誌メディアに製品のレビューを書いてくれって言われて執筆するのと、自分のBlogに製品レビューを書くのにどんな違いがあるっていうのだ。自分は文章で食っている人間なのだし、文章のクオリティに自信を持っているプロのライターなのであれば、それがどれほどの稼ぎにつながるかについて情報を集めることくらい簡単ではないか。 (「AdSenseやアフェリエイトでどのくらい稼げるのか取材対象を見つけて、取材記事書いてくれませんかねぇ」とか言われたら、それなりに調べるでしょう?) 例えば以下のエントリーあたりを参考に、必要ならば取材をしてみるとか。ネットでの情報収集、真偽の判断、必要ならば取材、ウラ取り。ライターの方の得意な分野ではないだろうか。 表現者と「ウェブ進化論」:住 太陽(スミ モトハル)のブログ。 http://www.motoharusumi.com/jobs/clarifying_the_web/communicator_and_the_evolutionism_of_web.html

この結果、僕がこの種の広告収入で得るお金は、2005年9月に既存のサイトにAdsenseを貼り付け、その当月にいきなり980ドル程度の報酬を得たところから始まり、その後のアフィリエイトへの参加などで報酬は増え続け、今では月間70万円程度に達し、今も増え続けています。

しかし、そもそも掲載されている媒体で媒体のギャラが尋常じゃないから降りるなんて記事がよく掲載されたなぁ。確かにアクセスは稼げるかもしれないけど、この原稿の掲載を許可したメディアの担当者は何を感じたのだろうか。 たけくまメモ:フリーにとって原稿料とは何か(1) http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2006/06/http.html

でもまあ、フリーライターがこういった「組織の内情」を、当の組織が運営しているメディアで暴露するのは、相当な決意が要ったでしょうし、その覚悟には敬意を表するにやぶさかではありませんが

「決意が要った」のは掲載したメディアの側じゃないかと思う。


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野田 純生 (のだ すみお)

大阪府出身。ウェブアクセシビリティエバンジェリスト。 アルファサード株式会社の代表取締役社長であり、現役のプログラマ。経営理念は「テクノロジーによって顧客とパートナーに寄り添い、ウェブを良くする」。 プロフィール詳細へ