書評などの最近のブログ記事

408084_258783897522724_100001733474961_743504_1116761228_n.jpg

2012年の一冊目。ネットのあちら側の「電子書籍の衝撃 "電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)" 」を読んだWeb系の人、電子書籍系の人、Amazonの中の人以外は読むといいよ(単純に読み物としても面白かった)。

この本は「(紙の)本は死なない」ではなくて「本屋」は死なない というところがミソです(ミソっていうか...[謎])。"本屋"と"書店"は違う。こっちの人(どっちだよ)の言い方をすると「本屋」は書店1.0、「書店」は書店2.0(注:こんなことは書いてないよ-ますますわけがわからんか...)。書店員や本屋の店主が「棚」のクリエイティブやPOPに拘り"書店発ベストセラー"を産み出すのが書店1.0だとすれば書店流? 出版業界的POSシステムのデータ重視、TUTAYAみたいなのが書店2.0とでもいうような。

この本は、そういう言い方をすれば書店1.0へのノスタルジーとでもいうような、「クリエイティブな本屋=いい本屋なんだ」という著者の思い入れが入っている一冊だとも言えると思う。でも、Amazonのような巨大なプラットフォームに乗っかって(AmazonでなくともAppleでもFacebookでもGoogleでもいいけれども)ビジネスを展開する小規模ベンチャーやフリーランスのWeb制作者、そう、この間言及したモバツイのモデルみたいなビジネスを展開する人にとってはこの本の視点は有用ではないかと思えるのです。もっとも、こういう風に何でもかんでもビジネスとして考えてしまうデジタル・ネイティブ、Web系ベンチャー思考と対局にあるような本を愛する人たちへの著者の愛を書き綴った本なんですけどね(実際は僕なんかデジタルネイティブなんかではなくて、著者の石橋毅史さんもこの本で言及されている「ひぐらし文庫」の原田真弓さんも僕と同世代のようですけど)。

紙の本が死んでも「本屋」の人たちの存在価値は死なないんだ、というのが本書のメッセージであると僕は受け取ったけれど、これは僕らのようなWeb時代を喘ぐようにして生きている人や会社が考えるべき価値の創造について書かれているともとれなくはないな、というようなことも感じることができた。ちょっと今読み終えたところでまとまってないけど(後でもう一回読んでみたいと思う)、僕ら(←誰だよ)にも活かせると思う考え方、感じたことを羅列してみよう。

  • ワインのAmazonがあったとして、ソムリエの仕事はなくなるか? なくならないんじゃないかな。
  • 「この本読んだよ。面白かったからお前も読んでみろよ」と息子に本を手渡すってのは行為だ。ジョブズに言わせるとユーザー体験。この本の最後で原田真弓さんが言っていることってそういうことじゃないかな、と思うのです。僕が去年読んだ数少ないフィクションものの小説は「下町ロケット 」で、面白かった。父が入院していた病院に読み終えた雑誌持って見舞いに行った時に「この本読んだか? 面白かったからやるよ」って言われた本。
  • 上述のように考えると、紙の本はもっと高い値段で装丁に凝った単行本中心で文庫や新書は電子になっていって、残った紙の本は"ギフト"としての存在価値が強くなったりとか、そういう形で残っていったりしないかな?
  • ソムリエ&ギフトって考えると、例えば意中の女性のFacebookアカウントとTwitterアカウントを教えて彼女に贈る本をソムリエにチョイスしてもらうサービスとか、そんなのだったら今でもニーズあったりしない?
  • そう考えると、例えば僕が月に書籍購入に3万円かけるとして(計算したわけじゃないけど)3万円を原田さんに預けたらどんな本をチョイスしてくれるだろうか? 僕はTwitterでもFacebookでも、もちろんこのBlogもあるし会社を通じた情報の発信もしてるわけで、過去のmixi日記とかの蓄積もあるし、僕が何ものであって今何を見ているか、何に関心があるかを理解するための情報はあるんだろうし。Amazonがアルゴリズムに基づいて提案してくる「この本を読んだら?」に対して、「人が自分を見て提案してくる本に数万円かけてもいいくらいの中小企業の社長向けのサービス」とか。中古のベンツくらい買える金があるんだから(俺は持ってないけどなw)、自分への数万円への投資とか、厭わない(でも、大概時間に追われている)人に向けた本のソムリエサービスとか。

「本屋」は人を呼ぶ呼称(Web屋と同じ)。リアルにオフィスや会社を持たないコワーキングとかフリーランス(奇しくもこの本の筆者がフリーランスじゃないか!?)という事実。そう考えると、彼女(原田さん)の掲げる8千円/日という売上げを上げるための手段はあるんじゃないの? インターネットを使うことで。でも、この本を見つけたのは本屋なんだよね。僕がふらっと行った本屋には「本屋について言及されている本や雑誌」が形成している「棚」があって、僕は奈良の実家から大阪に戻った時にその書店にもう一度立ち寄って数冊の本を買ったのです。その中には去年の6月の「BRUTUS(6/1号 - 「本屋好き」)BRUTUS (ブルータス) 2011年 6/1号 [雑誌] 」が含まれててその本には『「本屋」は死なない』の第6章で取り上げられている鳥取の定有堂書店の奈良敏行さんの取材記事が写真付きで載ってたりするんですね。そして、それを見て第8章で取り上げられている古田一晴さんの言うところの「本の系譜を見せる"棚"」というものに思考が繋がっていく。大阪の弁天町のたまたま立ち寄った一件の本屋にも、多分そういった「棚」があるんだと思う。この本を手に取っていなければ、もう一度弁天町の本屋に立ち寄ってはいなかっただろう(でも犬と猫が本屋にいるのは違うと思うぞ。俺は嫌いじゃないけどペットは苦手です)。

いずれにしても、年の初めに良い本を読んだと思える本でした。ウチらの業界の人には読んで欲しいな。A Happy Reading Year. 良い本との出会いは、いつでも良いもんです。

あけましておめでとうございます。2011年は3月11日のあの大震災、原発のこと、さらに円高、欧州の経済不安、タイの洪水という我が国にとっても世界にとっても激動の一年となりました。日本のインターネットシーンでは、Facebookの台頭、スマートフォン(モバイル)シフトが急速に進んだ年だといえると思います。アルファサードにとっては、PowerCMS 3のリリース、DynamicMTMLのシックス・アパートへの譲渡など、いくつかのトピックがありました。

さて、2012年。いつまでも下向いていられない、僕たちアルファサードとしては、仕事を通じて、また昨年のキャンペーンの結果少なからず寄附できたように、結果を残すことで社会に貢献できるようこれまで以上に真摯に仕事に邁進したいと考えています。

今年もより一層のご支援、ご指導の程どうぞよろしくお願いします。

さて、本題です。第9期上半期の期末会議で社内に向けてプレゼンした2012年のアルファサードの戦略キーワードは「Connect(コネクト)」でした。もちろん、「Connect=つなぐ」ってのは現在のWebが情報と情報、人と人をつなぐといった今やあたりまえになった事象を指す言葉ではありますが、ここでいうConnectはもうちょっとビジネスやしくみという面でのConnectを指します。 ※画像は会議のスライドの一コマです。

アルファサードは結局のところ、誰に、何を売っているのか?

12月はじめに書いたこのエントリーこの本よろしく「起承転結」の流れでご紹介してみたいと思います(非上場企業の戦略の話しなので数字や具体的に決定していることは書けないのではありますが...)。

起(コンセプト)

金を掘りに行く人たち(インターネット上での成功を目指すクライアント)にジーンズを提供するお店(パートナー/Web制作者)に対し、良質の商品(=製品)を供給し、ジーンズショップの運営ノウハウ(=技術サポート)を提供する。

上記は例え話ですね。そう、リーバイスの話しです(この話しの真偽は知らないんですけどね)。以下、改めて。

起(コンセプト)

インターネットにコンテンツを公開し、ビジネスしたい人(それを手伝う人=例:制作会社)に対して製品と技術サポートを提供する。

製品サポート、パートナーサポートをより充実させること、パートナー企業の利益向上に寄与出来るソリューション、サービスを投入すること。

サービスAとソフトウェアBをつないで(Connect)、"確実にあるが、決して大きくないニーズ"に応えるソリューションを提供する。
マーケットCとマーケットDでビジネスをしている人(会社)と人(会社)をつなぐ(Connect)。

売上げと利益目標を達成すること、及びパートナーの継続契約更新率目標を達成している。
そして、次期末(つまり10周年)を迎えられる目処、確信を得ている。

1月にリリース予定のPowerCMS SocialはCMSとソーシャルメディア、Zenbackというソリューション、Google Analysticsなどをつなぐ意味でConnectではあるのですが、こいつは実は本命? (本質?) ではありません。考えているのはその先、どちらかといえばもっとニッチなニーズに応えるものです(ごめんなさい、あんまりはっきりとしたこと書けてませんね。でも見ていてください。後で見たらきっと分かる筈です)。

僕は、常にアルファサードを「目から鱗」を提供できる会社でありたいと思っています。単に流行を追いかけたり他社の二番煎じをするようなそんな会社になりたくはありません。今年も「そう来たか!」というサプライズを業界に話題提供できるような、そんな1年にしたいと思っています。

改めまして、2012年。本年もよろしくお願いいたします。

P.S. "To be Professional."

会議の最後に社員のみんなにお願いをしました。3つ。うちひとつが"To be Professional."。プロになろうよ、といいたかったのですが単に横文字で格好つけた。僕がMT初めて触ったのって5年前。5年前は"MTわかりません"って言ってもそれで良かったけど、今"MTわかりません"っていったらどうですか? "ご冗談を..."みたいになるに決まってる。これだけ変化の激しい業界、世界にいるんだから会社に入った時や学生時代に勉強したかどうかなんていうスキルとか、どうでもいいし。会社にくる時点で"モバイルサイトはやったことないんですよ""インフラは専門じゃなくって"とか、どうでもいいよ。僕は何かにかこつけて経験者を高い給与で引っぱってくるつもりはないです。俺たちが学ぶし、俺が仕事を教えて行く。だから、君たちもそのつもりでこの一年一緒に頑張ってくれ、ということを伝えたかった。

そう、だから、お前たちにもね。今年も宜しくお願いするぜ!

Ahlp5fvCIAAUm3b.jpg-large.jpeg

※技術評論社様より献本いただきました。ありがとうございます。

僕が"えふしん"さん(藤川真一さん)とはじめてお会いしたのは(多分)2007年7月のことでTwitterをはじめたのは2007年7月28日のことです。何故はっきり覚えているかというと東京で行われた【第14回】 WebSig会議「Movable Type 4のポテンシャルを探る」にスピーカーとして読んでいただいた時に何だか主催のWebSigのメンバーもスピーカーの面々も"Twitterってものがあって、みんなここで繋がってるよ"みたいに教えてもらって行きの新幹線の道中でつぶやきはじめたからです。今日現在で12,927Tweetということは1日8Tweetしてるんですね平均して。1,017フォロー1,028フォロワーってのが今の僕のTwitterでの状況? です。

プラットフォーム上でサービスを展開し、収益を得るということ

この本を読み出してほどなく興味深いブログ記事を目にしました。

ブログでメシが食えるか、という非常に興味深いポストをされたのは新野淳一さん(僕は多分お会いしたことはありません)。

ブログメディアの可能性

Publickeyはブログという小さなメディアの可能性を広げていくことも目指しています。いまや、誰でもネットの上でブログというメディアを立ち上げることが可能になりました。その小さなメディアでどれだけのことができるのか、影響力はどうなのか、大手のメディアと差別化できるのか、ビジネスとして成立するのか。そうしたことをPublickeyを通じて確かめつつ発展させていきたいと考えています。

えふしんさんはモバツイッターというWebサービスをひとりで運営されて現在は会社を立ち上げられています。新野さんはブログメディアを個人運営されてこの一年はとりあえず食えたとおっしゃっています。両者のやっていることは違うのですが収益については両方とも「広告」です。Google AdSenseという共通項はありますが、Publickeyのほうは直接クライアントから広告を得るというモデルが中心、えふしんさんのほうもAmazon EC2への移行時にドネーションを募っていてこれが少なからず集まったと書いておられます。Googleが提供するAdSenseというプラットフォームは確かに導入も楽だし一定の収入を得るための敷居は低いですが、それだけで食えるというレベルに行こうと思ったら少々のレベルでは無理です(僕も広告貼ってますから、どのくらいのPV集めたらどのくらい収益があるかとかはわかってるつもり)。

モバツイッターの場合はユーザー数100万人ということですから、少人数の会社のメンバーが食えるようになったという点で希有な存在だと思います。Publickeyもまぁ、希有な存在ですね。アルファブロガー・アワード2010を受賞されてるのですから。ただ、両者とも少人数、もしくは個人が食えるレベルのビジネスモデルです。Google、Twitter、Facebookといったプラットフォームの上では成功したとしてもこのくらいです(このくらい、ってのは決して悪い意味ではなく、規模感の話しとしてこれだけ当たったサービスでも少人数のベンチャーが食えるくらいの収益しか出せないんですね。Publickeyは直接広告出稿を募っていますがAdSenseの売り上げは71万9571円だそうです)。

では、TwitterやFacebookで僕が繋がっている数多くのWeb業界の人たちはどうやって食ってるかといえば、圧倒的に受託開発です。企業から委託されてWebサイトやサービスを開発しています。受託やってる人(僕も含めて)ってのは納期直前の半分徹夜の状況や何らかのミスや瑕疵などをおこしてクライアントに土下座(!)しにいったりすると"Webサービスで食えたらいいなぁ""自社メディアで食えたらいいなぁ"みたいに思ったりしたことの一度や二度はあると思います。それでもこの程度。ただ、この程度とはいっても(モバツイの場合)100万ユーザー抱えて会社立ち上げてるわけです。これ、すごいことですよ。

プラットフォームビジネスのリスクとこれから3年後に向けて

ここはらはPublickeyの話しは外れてモバツイッター限定の話しになります。僕もある意味でプラットフォームビジネスを展開しているわけです。Google、Twitter、Facebookではなく、Movable Typeというニッチ? なプラットフォームではありますが。プラットフォーム上のビジネスは常にプラットフォームの動向に影響を受けます。そういった意味で自分たちのコントロールだけで未来を描くことができない。そしてプラットフォームはGoogle、Twitter、Facebookだけではなくてモバイルの世界ではDoCoMo、AU、Softbankもプラットフォームです。今急激に進んでいるスマートフォン・シフトはここらへんの従来型モバイル・ビジネスモデルを変えて行くでしょう。えふしんさんもそういったことを書かれています。

現状、携帯電話のみにサービスを提供する企業はPCユーザー層にはあまり興味を示しません。携帯電話しか使わない若い年齢層がメインターゲットなので、年齢層が高めのPCユーザーの好みとは相いれないサービスが多いからです。(中略)
今後、これらは急速に変化していくものと考えられます。最大の理由は、携帯電話のネットワークがスマートフォント同じネットワークに変化していくことを求められるからです。

えふしんさんは相当に危機感を募らせていると思うのです。てか、経営者ってのはそういうもんです。なので、手を打つのですね。

3年後なんて、わからない

結局「わかんない」なんて、結論のあるかないかよく分からんエントリーになりましたが、僕もえふしんさんがモバツイッターをリリースされたほぼ同時期に、ソフトウェアパーッケージビジネスという新しいチャレンジをしました。当たらなかったプロダクトもありますけど、それなりに当たったプロダクトがあって、会社や僕を取り巻く状況、収益モデルは変わってきました。Twitterをはじめた4年前あたりでは考えられなかった変化です。僕自身は最近、Facebookの滞在時間が増えてきました。心持ちTwitterに滞在している時間が減った気がします。結局のところ、3年後なんてわかんない。でも、この本は"とにかくやってみた"記録があります。3年後の自分を作るのは今の取り組みです。えふしんさんは次の1年、2年、3年に向けて次のアイデアや企画を熟考して既に行動にうつしている筈です。でも、ここについてはこの本には書いてありません。どこを向いているか、布石? については読み取れますけどもね。

なので、そのあたりの話しは今度えふしんさんと飲みに行って聞き出すことにしますw

読了。正確には年末の全社会議での下期戦略の策定の際に読み返すので「読了」ではないけども。

感想としては、前半と後半が反対だったらもっと良かったのに、という不満は多少あるが、特に後半は参考になりましたよ。面白かった。リアルなストーリーはやはり面白い。

ストーリーとしての成長戦略

京都三条糸屋の娘(起)
姉は十六妹十四(承)
諸国大名は弓矢で殺す(転)
糸屋の娘は目で殺す(結)

戦略において「転」のことを本書では「キラーパス」(サッカーで得点に直接つながる相手の予測出来ない、ここ一番のパスのような)と呼んでいて、ここが、いわゆる「ツボ」と解いてます。

次に続く「転」はストーリーの核となる部分にあたります。「ヤマ」ともいわれ、ストーリーの中で最も盛り上がりを見せる部分です。糸屋の姉妹の話しをしているのかと思ったらいきなり諸国大名が登場して、弓矢で殺すという物騒な話が出てきます。このように、ストーリーの中で最も大きな転機を発揮し、読者が知らなかった事柄や想起を超える展開をすることによって関心や興味を引く部分となるのが「転」です。

各社にとってのキラーパスは、スターバックスでは「直営であり、チェーン展開ではない」こと、サウスウェスト航空では「ハブ空港を使わない」こと、アマゾンでは「倉庫と物流」。

考え抜かれた戦略はむしろ「何をしないか」「誰に好かれない(嫌われる)か」といったところに注目しています。スターバックスでは「第三の場所(家庭でも職場でもないもうひとつの場所)」がコンセプト(起承転結の「起」)であり、そのためには紙コップ(カチャカチャと音を立てない)であり、禁煙であり、店員が「ポテトはいかがですか?」とは真逆の対応をとるための(つまり、騒がしくないのも「第三の場所」に必要なことで、短期的な利益追求と相反すること)→これを実現するためのキラーパスが「チェーンではなく、直営」というストーリーになるわけです。

他にも中古車買い取り専門の「ガリバー」の事例なんかが興味深い。「買い取り専門」直接販売はせずに同業対象のオークションに流すだけ(業界の常識では直接売って利ざやが稼げるのが一番オイシイのにあえてそれをしない→その代わりに展示スペースや倉庫や在庫が不要になる)とか。

フェラーリは需要を徹底的に読んで売れるだろうと思われる台数-1台を生産するという話とか(これはわりと有名な話だと思いますが)。

ウチの会社にとって12月は上期末でもあるので、期末の全社会議に向けてもう一度「戦略」の再定義をしようというきっかけになりました。俺たちの「キラーパス」はどこにあるのか。そこがポイントで、そこを熟考したいと改めて思うなど。

いや、なんていうか今日は何も書く気はなかったんだけど(てか、真面目にはてブのインターフェイスとか「しきい値」の話とか考えてて、そんなこんなで雑文書こうかという気持ちは多少はあったんだけど)、大阪へ向かう新幹線で読んじまったからな...

話すれば良かったのに。


毎度おなじみ、あとがきの時間です

さてさて、本書は前著が出た直後に『ウェブ進化論』の梅田さんとの対談を想定して動き出した企画なのですね。んで、梅田さんにアポを入れたらしいんですけど「今年はインプットの年にしたい」ってな理由で、断られてしまったようなのです。おいらの話はインプットにならないんだなぁ、とか思っているうちに企画がどんどん変わって行って...(略)

飲みかけの酎ハイ吹き出しそうになったw

CHEEBOWさんこと関根元和さん入魂の一冊。実はWebSig24/7 MT分科会のジャンケンで当ててしまいました(空気読めなくてごめんなさい)。

ひとことで言うと、

サイト構築等を仕事でやっていてMTでサイト構築する人は一冊買っておきなさい!

ということになります。

いや、いい時代(謎)になったもので、僕がプラグインを書きはじめた頃は書籍はおろかWebにも情報(特に日本語の)がほとんどなくて唯一Movable Type オブジェクト・リファレンスを見ながら試行錯誤していました。最近でこそ情報が出回り出したけど、これだけまとまった日本語での情報はこれまでありませんでした。

プラグインの構造からMTオブジェクトの扱い方、ダイナミックパブリッシングまでサポートしてます。

良くある勘違いとして、MTの各データはDBに保存されてる→PHP+MySQLならさわれるから、直接DBから呼び出してデータを組み立てたりすればオレにも拡張できるもんね! というPHPerのWeb屋さんがいます。いや、PHPでもいいんですが、MTにはダイナミックパブリッシングという仕組みがあり、PHPのAPIも用意されてます。Perl APIとは違って主に利用用途に限られますが、動的なサイト構築であればPHPからMTのAPIを経由してDBのデータを利用することでかなり自由な開発が可能です。

この本ではPerl APIを学んでからPHP章を読んだ方がわかりやすい作りになっていますが、ダイナミックパブリッシングの章だけで25P割かれていますので、Web構築でMTと付き合う人はこの部分だけでも見ておくと良いと思います。


と、いいことばっかり書いたのですが(!?)以下、感想。

まず、冒頭のエディタのところですが、僕はTextWrangler派です。

ローカル環境のところでXAMPPがあってMAMPがないのはやっぱり人口の問題かな? Web系のMac比率結構高いように思うんだけど。

内容については、これ「入門」とありますが、一応MT脳? というか少なくともテンプレートを自分で組んだことのない人には理解出来ないところ多いと思います。文章の中で特にPerlに慣れていない人向けに“気を配った(?)”表現が出てくるのですが、やっぱりそこで「?」となる人が出てくるかもしれません。

ちなみに、Web屋さん向けコードだったら(PHP人口が多いので)。

  • 「最後に評価された値が返る」ってのを直感的に理解してくれない時があるので常に「return $hoge;」とする
  • 「$hogehoge || return $fuga;」ではなく「unless ( $hogehoge ) { return $fuga }」のように書く(もっと気を遣うときは if ( $hogehoge eq '' ) { } else { return $fuga } )とか書く

とかすると何となく理解してくれやすい(気がします)。

あと、僕のようなノンプログラマがハマリがちなのが以下のようなコードで、

my $entry = MT::Entry->new;
$entry->title( 'Hello' );
$entry->text( 'Hello World!' );
$entry->save;

って実際にやると保存できなくて(author_id,blog_idとstatusがnot nullなので)泣きたくなってあきらめちゃう、みたいなことがあると思うので(かといって項目が多いと難しそうになるし、このあたりは難しいところですけど)、サンプルコードは絶対動くヤツがいいと思います!

あ、最後のページ(288P)で僕のエントリー紹介してくれてますね。ありがとうございます!

とにかく、

サイト構築等を仕事でやっていてMTでサイト構築する人は一冊買っておきましょう!

あぁ、なんか腑に落ちた。ようやく分かった気がする。

僕がこの本を読んでピンと来なかったこととか、あのイベントで実感が湧かなかった理由。要するにそれが「東京」「広告」「メディア」の話だからなんだ。

確かに、東京×メディア×広告でみると「広告をクリックさせるためだけにPVを集めるメディア」と、CMの最後に流れる「続きはWebで」の受け皿の世界。

メディアはとにかく数を稼げばいいわけだから、質より量の世界だろう。ここ数日某SNSのニュースが半端なくネタ連発で僕も思わずツッコミ入れまくっちゃったけど、あれは「釣り」なわけです。「こんなのあり得んじゃねーか」って日記に書かせて「そーだよねー」って仲間内で盛り上がることがPVを押し上げる。PVの増加はメディアの媒体資料に反映されるし広告クリックによる収益も増える(僕はそれで良いと思う)。

ただしここでは「ニュースの質」も「視聴者の質」もどーでも良い。

SNSでなくともニュースメディアにしても同じ。だからテレビネタが数を稼げるということになる。運営側はちゃんと狙ってるわけです。例えばSNSの日記だったら、日記を選択する担当者は「このニュースを含む日記」が多ければ多いほど評価され(想像だけどね)、ニュースメディアでも引用されたりコメントがたくさんつく記事が評価される(PVに比例するし)。さらにそれが「Yahoo! ニュース」にでも掲載されれば言うことなし。

「ウェブはバカと暇人のもの」ってのは、そういう仮説(仮説と言えども実際の収益やメシの種に密接に結びついた仮説)に基づいてニュースメディアの運営サイドの中の人が書いた真実というわけです(良く読めばここでの発言とか一貫してるよな)。

こう考えると僕には異論は全くない。そうして作られた数字をベースにした媒体資料やプレス発表とかの数字を根拠に「やっぱり今の時代、続きはWebですよ!」という企画を立てて予算をつけてWebプロモーションやWebブランディングに持っていこうとする世界は衰退していってもやむを得ないと思う。

このイベント はもちろんリーマンショック以前の話なわけですが、この時期に「東京」「広告」「メディア」でみたWebが「衰退」してみえてるってのが面白い。

結局のところ、東京でもなくメディアでもなく広告でもないWebの業界人としては、全然ピンとこないわけです。これはむしろ「衰退」ではなく「是正」ではないのか?

「どうやって予算をひっぱるか」みたいな話で考えると、無理にひっぱらないと付かない予算でしか成立しないものだったら、それはむしろ是正されていっていい。

これからは「本質」「価値」「価値に見合ったコスト」の時代であるべきだと思うし、その中でいかにして適切な対価をいただける良い仕事ができるかどうか。それが今の時代のWeb業界の中の人に必要なことなんだと思う。

小粋空間さん経由で知ったので早速。

個人的には『「Web2.0」とかいう前に、「Web1.374」くらいを身につけるべき』というフレーズが気に入りました(笑)

著者の中川淳一郎氏は 広告代理店(博報堂)→雑誌(TV系雑誌)→ニュースサイト編集者 という経歴の持ち主のようで、ちょっとググってみたのですがニュースサイトってのがどうもアメーバのようです。どうりで、というような内容でした。楽しかったけど。

サブタイトルに「現場からのネット敗北宣言」とあるのだけれど、具体的に何に対する敗北かと言えば対象は「テレビ」です。書いてあることは「確かにそう」で特に反論はないです。現時点では確かにこの通り。但しひとつだけ欠けているのが「コスト」の視点で(著者に欠けているのではなく、この本では目をつぶっているようで)、「メディア」としてのテレビとウェブの影響力といった点ではそりゃテレビでしょう、まだまだ現状は。

とはいえテレビ番組やCMのコストをウェブのコストを考えれば単純に勝ち負けでもないじゃねーか、と思う(思った)。

確かにウェブでできることはほぼ他の手段でもできる。それでも「ウェブサイトみてその場で注文して」ってのが「テレビショッピングを観て→電話して」という手段でできるとしても、前者に意味がないとは思えないし、両社のコストを含めた効果を比較しないと意味は無いのだと思うし。

それでもメディアとしてのウェブの現状や炎上系の話とかはそれはそれでニュースサイト編集者という現場の視点として頷けるし楽しめるので、ウェブ系の人はご一読いただいて損はないか。

ウェブはバカと暇人のもの -現場からのネット敗北宣言-(光文社新書)

  • はじめに バカを無視する「ネット万能論」
  • 第1章 ネットのヘビーユーザーは、やっぱり「暇人」
  • 第2章 現場で学んだ「ネットユーザーとのつきあい方」
  • 第3章 ネットで流行るのは結局「テレビネタ」
  • 第4章 企業はネットに期待しすぎるな
  • 第5章 ネットはあなたの人生をなにも変えない

続き

荒木さんらの共著による「Movable Type逆引きデザイン事典」を献本いただきました。

僕の書いたCMSContextRebuildParentCategoriesを紹介いただいています。

読んだかって? いや、ちゃんと読んでません(きっぱり)。だって、これは読む本じゃないから。「ボロボロになるまで引かれたい」って帯に書いてある通り、いぢくっている時、サイトをつくっている時、テンプレートをいぢってる時に手に取る本です。

とはいえ、アクションストリーム、モーション、コミュニティ機能について取り上げられている本ってあまりまだないんじゃないでしょうか。そういう意味で、ギョームで扱うMT屋さんは一冊持っておくと良いかと。

個人的に:しかし、MT5ってのが見えててこのタイミングで本出るんですよねぇ。やっぱりMT本は売れるんでしょうか?(藤本さん曰くWordPressの本はあまり売れないということのようですが...)

たまには普通に書評なぞ。といっても古い本だけど(たまたま今日読み返した)。

この本が書かれたのは1996年。既に10年以上前のものである。著者のクリフォード・ストールは天文学者なのだが、ローレンス・バークレー研究所にいた時にハッカー(当時の表現)の追跡のおかげでネットワークセキュリティの専門家と言われるようになる。この時の事件については彼の最初の著書「カッコウはコンピューターに卵を産む(上) (下)」に書かれており、この本は世界的なベストセラーとなった。

エントリーの標題の「インターネットはからっぽの洞窟 (原題 : Silicon Snake Oil -- Second thoughts on the Information Highway)」はストールの2冊目の著書である。

この本(日本語訳 : 倉骨 彰氏)のカバーにはこうある。

インターネットで仕事が変わり、社会が変わり、世界が変わる−でも、本当にそうなんだろうか?

題名からも分かる通り、当時の既に過剰とも言えるインターネットブームに対して負の側面を当時のネットワークの「ヘビーユーザー」であった著者が指摘したものだ。

もちろん10年以上も前のことであるから彼の主張や当時懸念されていたことの多くは現状解消されている。インターネットでのショッピング(決済)や優秀な検索エンジンの登場、書籍を探すのも随分簡単になった。

ところが、ネットワークについて無知な学者が書いたインターネット悲観論ではないがゆえに現在のネット社会について示唆的な記述が多く見られる。

実は何ら解決していないのが現在のインターネット社会じゃないか、という見方もできる(そういう表現が多くある)。

僕はたまたま今日埃っぽい本棚からこれを取り出してそれこそ10年ぶりにぱらぱらと読んでみた。以下少しだけ引用する。

モデムにご主人をとられてしまったジェニーが教えてくれた。(中略)「でも、デービットに比べたらまだましかもね。彼、私の友達なんだけど、毎晩3時間もネットワークするようになっちゃって。奥さんもいい人で夫婦仲も良かったんだけど、彼をネットワークにとられたと感じて離婚しちゃったのよ。」

誰でも意見を自由に発表できるというのは本当だが、ネットワークでは誰もがいっぺんに好き勝手なことを言いはじめるから、真面目な議論などかすんでしまう。

ネットワークユーザーの中には極端な意見を述べる人が多く(中略) まともな議論になかなか発展しなかったりする。

(中略)

まともに始まった対話が、フレイムウォー (侮辱合戦、誹謗中傷合戦) にまで発展してしまう割合は驚くほど高いのだ。

コンピューター自体の演算速度は速くなっているのに、プログラムの実行速度は遅くなっているのも解せない。

その他にもジャンクメールの話とか、メールが増えすぎたがフィルター使うと大切なメールまでフィルタリングされたりしないか気が気じゃない話とか、ネットワークや電子メールをコピー&ペーストした論文に質の高いものがあるのだろうか、とか...

結局のところ、インターネットとはいっても根本のところでは何も進歩してないんじゃないかと思うような指摘が多くあって、楽しめるというのもおかしな話だが、結構考えさせられる。

ことインターネットについて言えば10年前に書かれた未来予測を読む価値はあまりないように僕自身感じるけれど、この本については (特に) 若いIT/Web業界の人は読んでおいて損はあるまい。送料はともかくユーズド (amazon) なら安いものだし。

ウェブページ

OpenID対応しています OpenIDについて
Powered by Movable Type 5.04

このアーカイブについて

このページには、過去に書かれたブログ記事のうち書評などカテゴリに属しているものが含まれています。

前のカテゴリはモブログです。

次のカテゴリは駄文・雑文です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。