アルファサード株式会社 代表取締役 野田 純生のブログ


Movable Type クラウド版ってどうなん?


公開日 : 2014-05-02 15:39:19


続き。これでMovable Typeクラウド版が売れてもオイラの懐には一銭も入らんので(アフェリエイトとかないのかw)単なる感想です。ちなみに、PowerCMSはクラウド版のMT上では動きません。このエントリは以下の記事の続き。

結論から言うと、複数台でロードバランスするような大規模な案件であったり、サイトのフロント側で動的で複雑な処理をするような案件でなければ(とはいえPHPは使えるし、cgiも設置できる)良い選択ではないかと思います。特にサーバー管理者のいない組織では。

要するに、

結構いいんじゃないですか? 選択肢として検討に値する

Movable Type Cloud

実案件で使うにはXSi プランのメモリ0.5GBってのがちょっと不安かなと思うので、実質S2i プランからになると思います。税別で14,200円/月。9万円のライセンスを購入して自前でサーバーに設置するのかクラウド版を選ぶのかについてはまぁ要件に応じて検討すれば良いと思う。

クラウド版とはいっても、オートスケールとかロードバランサを使った構成とかはないようなので、一台サーバーで運用するのが前提。但し、サーバー配信機能があるので、FTPで別サーバーに配信すれば公開側は複数台運用もできる。

サーバー配信の設定画面

これ、実際に使って運用したことはないんですが、画面を見る限り日時を指定しないといけないようで、そうであればちょっと毎回セットするってのは不便かも。

スケジュール・タスクは5分おきに実行されている

ちょっと短すぎないかこれと思うけども。タスク溜まりまくったら終了しないなんてことにもつながりそうで。再構築キューとかで大量のファイルの再構築を非同期にしようとかすると辛いかも。通常のスタティックで動かすなら問題ないと思いますが。

addonsは設置できないので、plugins以下に置く

見出しの通り。現状ではaddonsは設置できないし、標準プラグインやMTのソースにはアクセスできない。自分でパッチを当てることはできない。お任せとのトレードオフ。

プラグインを認識させるには「全般設定」にアクセスし、保存

常駐型なので、プラグインを設置したり直接編集しても反映されない。認識させるためには「全般設定」にアクセスし、設定を保存する必要がある。

mt-foo.cgiは各プラグインフォルダ直下に置く

PSGI/Plackに対応したプラグインにして、plugins/Foo以下に置く。パーミッション等は特に意識せずそのまま(747)。

plugins/Foo/mt-foo.cgi
# に設置した場合、以下のURLになる。
https://example.com/mt/mt-foo.cgi

MemcachedServers設定済み

mt-cofig.cgiへはアクセスできないので、以下のテンプレートで調べた。

<MTVar name="config.MemcachedServers">
127.0.0.1:11211

.htaccessが使える

Apacheと全互換ではないような気がするけども、ダイナミックパブリッシングの設定をすると.htaccessが生成されて、mtview.phpにちゃんとリライトされる。

PHPが利用可能。

但し、PHPファイルを直接変更したときはプラグインを認識させる時と同じ手順で全般設定を保存しなければならない。但し管理画面からテンプレート出力したファイルはこの限りではない。 尚、DynamicMTMLはpluginsディレクトリに設置することでちゃんと動く模様。

以下、要望

可能なら、addonsが設置したい

addonsはpluginみたいに複数パス設定できないから、無理な気もするけど。

標準プラグインのうち不要なものを外したい。

アップデートのために、アクセスできないところにプラグインフォルダを作って、もう一つPluginPathを指定してそこをユーザーに開放してるってのはわかるんだけど、標準プラグインで不要なものは外せるといいな。

mixiCommentとか使わんし、WidgetManagerなんてこんな風に書いてあんのに(最初っから要らんと思う)。あと、Community.packもあんまり使わんので。

Widget Manager version 1.1; このプラグインは、古いバージョンのWidget ManagerのデータをMovable Typeのコアへ統合してアップグレードするために提供されています。アップグレード以外の機能はありません。最新のMovable Typeへアップグレードし終わった後は、このプラグインを削除してください。

FTPSでアクセスできるディレクトリに work ディレクトリが欲しい

プラグインが作業する一時ディレクトリのようなものがなく、権限もないので作れないんですよ。Create directory operation failed. 一時ファイル的なものは TempDir にすればいいと思うんだけど、残したいものはどこに保存すればいいのかわからない。SupportDirectoryはWebアクセスできるし標準設定では Basic認証もかけられないし(Basic認証については以下に)。

mt-static ディレクトリに Basic 認証がかけられない

Basic認証の設定画面で、/mt-static/ を指定しようとしたらディレクトリがないって怒られた。FTPSからドキュメントルート以下に /mt-static/ を作成してBasic認証の設定をしたら、管理画面がぶっこわれたw (良い子は真似しないように!)

取り急ぎMT6.03のmt-staticの中身をドキュメントルート以下にアップロードしたら管理画面へはアクセスできるようになった(けど、当然ですがテーマのサムネイルはリンク切れてるし、Basic認証の設定へはアクセスできなかった)。なので、仕方なく「バックアップデータからの復元」を使いました。これ、いいですね。(何かPHPで動いてるっぽいのが気になったけど、そんなの気にするのはおいらだけなような)

バックアップデータからの復元

直接.htaccessを置いてみたけど、効かない模様。ドキュメントルート以下は動作します。でも、Apacheではないので完全互換というわけではないように思うけども。

ウェブサイトのパスは / で終るように設定して欲しい

まぁ、これはサービスというより設定の問題ですね。/で終ってないと細かいところでうまく変換されなかったりURLがおかしくなったりする可能性があるので。

以上、感想と要望をざっと上げてみました。引き続きもうちょっとさわってみます。

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このブログを書いている人
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野田 純生 (のだ すみお)

大阪府出身。ウェブアクセシビリティエバンジェリスト。 アルファサード株式会社の代表取締役社長であり、現役のプログラマ。経営理念は「テクノロジーによって顧客とパートナーに寄り添い、ウェブを良くする」。 プロフィール詳細へ