「愛される会社」と「アクティブサポート」について考えてみた(セミナー雑感)。

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少し前になりますが、河野 武さんのセミナーに行ってきました。大阪ではなかなかないよ、ってのと(後の懇親会で伺いましたが最近京都に越してこられたとのこと)、Facebookで色んな方が勧められていたのがきっかけです。ちなみに河野さんは2005年から2007年までシックス・アパート株式会社のマーケティング担当執行役員をされています。2007年って実は僕の会社がMovable Typeの拡張CMSソリューションPowerCMSをリリースした年で、それからシックス・アパートさんとはセミナー何かでご一緒させていただくことが増えたのですが、ちょうどそのタイミングで退職されていて、入れ替わりで実はお会いするのははじめてだったりするのでした。

当日は講演を聞きながら「#oreore_hashtag」(オレオレハッシュタグ!w)をつけてTweetしてました。リンクはこちら。また、スライドについては河野さんのサイトでシェアされています。

「最高」か「最安」か「最愛」か

「最高」か「最安」か「最愛」かという話しはとても明快でわかりやすくて、「最高(Appleストア)」「最安(ヤマダ電機)」に勝つことはできる? という問い(できないよね、っていう誘導尋問的w)に対して「最愛」しか生き残れないよね、という話しをされました(最愛の例としてはジャパネットたかた を出されていました。河野さん的にはジャパネットたかたについてはリサーチ中と話しておられましたが)。

「最愛」というコンセプトには共感できるしその通りだとは思います。ただし第二部のアクティブサポートの話しからもわかるように、モノを売る企業、メーカー、大企業に対して、例えばアルファサードのような中小企業、且つ、労働集約的な受託業務部門(いわゆる人が提供するサービス)が相応の業務比率を占める企業では、必ずしも最高、最安を目指すことをあきらめる必要もないな、という感想を持ったことも事実。

どういうことかと言えば、我々のような業務では、実は常に最高、最安というポジションによって選ばれている面があるからです。

CMSで最高

という単純比較ではなく、

CMS × エンタープライズ系の機能 × 静的パブリッシュ可能 × 国産 × 有償サポート有、の中で「最高(最安)」

他にも「関西にサポート拠点のある」とか、様々な条件の掛け合わせて最高や最安は決まります。例えば「6月〜8月にカスタマイズの人的リソースを確保できる」みたいな、製品には直接関係のない条件を掛け合わせた中での最高もしくは最安。

ソーシャルメディア全盛の時代、これからは「最愛」だよね、と単純な頭で考えるのではなく、当然ですが、我々がどこで戦いどこで選ばれているのかをちゃんと定義できてなければアクティブサポートにしてもどう取り組むかの方向性が決められない。そういうことをちゃんとあわせて考える必要があるんだろうな、と思った次第。

大切なのはバランス。取り組むべきはサポートデスクか営業か、はたまた...

ツイートにも書きましたが「お客さんは友だちじゃない(距離感重要)」という言葉は非常によくわかる。空気感がわからないとすぐに炎上したりするのがTwitterなんかのソーシャルメディアだし。僕は炎上経験者wなのでそのへんのバランスは何となくわかるつもりですが、ソーシャル慣れしていない担当者(しかも企業アカウントでの発言は個人のそれとも違うわけですし)には難しいところもあって、そのあたりを何とかするのが河野さんなんかのお仕事なのでしょう。

講演の中で「営業がアクティブサポートすると行き過ぎる」「サポートデスクがアクティブサポートすると引き過ぎる」みたいな話しがあって、これも僕は実感としてよく分かる。ウチの場合、製品導入前の問い合わせのやりとりなんかで、技術的な内容をサポートに引き継ぐことが良くあるんですが、どうしてもサポート担当としてはリスク考えてしまって(導入決まってもトラブルや問い合わせ殺到したら自分がしんどい思いをする、但しそれだけだと売れない)、逆に売らんかなの営業が対応すると「大丈夫です! 買ってください」的な方向に行く。僕は、アクティブサポートを担当する人の立ち位置としては「広報」なんかどうだろうと思いました。営業でもなく、サポートでもなく。行き過ぎてもいけなくて、引きすぎてもいけない。そのあたりのバランスをとれるポジションの人が担当するのがいいのかな、と。

以下の事例なんかでも、営業やサポートデスクっていうより広報やマーケティング的な色合い強そうだし(必ずしもアクティブサポートの事例というわけではないですが)。

ソーシャルメディア活用の効果測定(KPI)

一般的にKPIの設定が悩ましいソーシャルメディア施策ですが、ローソンは明確でした。

  1. ローソントップページへ流入数
    ソーシャルメディアから自社サイトへの流入数
  2. ローソン公式アカウントからのリーチ数(現在81万人)
    ソーシャルメディアのリーチ数(100万人が目標とのこと)
  3. CRM Consumer Generated Merchandising
    ソーシャルメディアにあるお客様の言葉を収集・分析し、商品開発、商品改変に活用する
  4. 来店数、購買数
    クーポン系施策では、クーポン活用時の併売率を見る

零細・中小企業のアクティブサポートは社長自らが行うべき

これは僕の持論です。やっぱり責任をとれる立場の人でないと思い切って行動できないし、企業レベルから考えても専任を置くのは難しい。兼任、+の業務ではなかなかうまくいかんのじゃないかと思う。アクティブサポートはそれなりに負担がかかる(物理的にも精神的にも)。そもそも、会社の風評や製品へのネガティブな印象なんかを一番気にしているのは誰か? 社長だしね。それに、効果が実感できれば継続すればいいし、できなければやめればいい。

オープンな場で解決できるものはオープンな場で解決した方がいい

例えば、下記のような発言があった時、このまま例えば「何でこれができないんだろう...」的な方向に行くのはやっぱり嫌なので、本来はサポートの方へ投げて欲しいな、と心情的には思うわけです。ちゃんと有償製品で専任のサポートを置いているので。

Twitterの発言:PowerCMS3のメニューに「ブログ記事→グループの管理」と「グループ→ブログ記事/ページ」の両方があって、中身が違う件。マニュアルによると、後者は過去バージョンとの互換性のための機能らしいのですが......ものすごく紛らわしいのでメニューから消したいです......。

でも、サポートに投げてください(要は、問いあわせフォームやメール等、クローズな方で解決したいです)、ではなく、オープンな場でちゃんとケアできて課題が解決したら、そのやりとりは不特定多数の人の目に触れることになります。同じ解決できるのであれば、オープンな場で解決すべきだと思います。

Twitterでの返信:mt-config.cgi に HideMenus objectgroup:entrypagegroup などと書くと(複数消す場合はカンマ区切りで)特定のメニューを非表示にするプラグイン書きました。 :さらにその返信:@junnama なんという対応......! ありがとうございます。

セミナーの感想、というより自分の雑感みたいになってしまいましたが。ま、いっか。

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コメント(7)

感想ありがとうございます!
セミナー中も何度か念押ししたように、必ずしも「最愛」の一択ではなく、自分たちが取れる環境にあるなら「最高」や「最安」(あるいは「最速」ですら)有効な戦略になると思います。とくに「最安」は取れるなら現時点ではとても強いです。

なので野田さんの書かれている「条件付き最高」はよくわかりますし、その条件を見極めることこそがいいかえれば「どういう人なら愛されるか(選んでもらえるか)」という点で「最愛」の意識の結果ともいえます。

ちなみに広報がアクティブサポートをやることは反対です(少なくとも向いてはいません)。
ぼくも広報をやってたのでわかりますが、彼らは(主に記者に対して)「仕様です」ということをやんわり伝えてやり過ごすことが得意なのであって、ひとり一人の消費者と正面から向き合った経験はほとんどありませんので。

中小企業の場合は社長がやりましょう、というのはまったくそのとおりで大賛成です。
大企業でも可能なかぎり決定権者に近い人が対応するほどいいですね。

なにかしらのヒントになったのであればうれしいです。

多分「広報」の意味合いが違っているのだと思います。河野さんの言っている広報は(私の中では)前時代の広報で、マスメディアとのリレーションを司るポジション(そして大企業のほとんどの広報は、いまだにこのスタイル)。

数年前に、まさにこの「広報」スタイルがソーシャルメディアといかに親和性がないか、という事例にぶちあたり、その経緯をまとめたので、ご関心があればこちらもどうぞ。

http://nseki.typepad.jp/mgt2010/2009/11/%E3%83%9F%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AC%E3%82%A4%E3%83%89%E6%9D%B1%E4%BA%AC2010twitter%E5%AE%9F%E6%B3%81%E4%B8%AD%E7%B6%99%E3%81%AE%E8%88%9E%E5%8F%B0%E8%A3%8F%E3%81%A8%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%83%96%E3%83%AD%E3%82%B0-miguidetokyo.html

ただ一方で、特にネット系企業の広報は、徐々に双方向スタイルに移行しています。野田さんが思い描いた「広報」というのは、おそらくそちらのイメージなのではないかと思います。

ただ、うちの社内でも、広報とサポートでの温度感については社内で議論したことがあり、特にアクティブサポートについては、「サポート」と名がついていても、サポートとは違う種類なのかなぁ、とぼんやり考えています。

CRMという言葉に逃げるのはあまり本意ではないのですが、カスタマー・リレーションズという括りの中に、メディア・リレーションズ、ブログ・リレーションズ、ソーシャルメディア・リレーションズ、従来型サポート(受け身)、そしてアクティブ・サポートと機能が細分化されているのかなぁと。

零細・中小企業のアクティブサポート は社長自らが行うべき これは僕の持論です。やっぱり責任を とれる立場の人でないと思い切って行 動できないし、企業レベルから考えて も専任を置くのは難しい。

いつも本当に一杯助けていただいて感謝しています。 | 「愛される会社」と「アクティブサポート」について考えてみた(セミナー雑感)。 - Junnama Online http://t.co/38yle8md @junnamaさんから

ちょっと間があいたコメントになっちゃいますけどごめんなさい。

関さんがおっしゃってることもわかるんですけど、広報が自社の製品やサービスの細かい問い合わせに答えられるわけがないので(そういう役割なので)、現実的に考えてもむずかしいと思います。

アクティブサポートの場合、たとえば「御礼」なんかは従来の狭義のサポートには含まれませんので、だからむずかしいという話もあるかもしれませんが、ぼくからすると広義のサポートと広義の広報は(まさにカスタマー・リレーションズという意味で)かなり重なるので、現実的な担当者・部門としてはサポートがもっともふさわしいと思うんです。
だけどサポートが孤立してしまうとダメに決まっているので、全社的なバックアップが必要ですし、ときには広報や社長が出てきてくれるくらいのコミットが望ましいですね。

いろんなお客さんがいて、いろんな問い合わせがある中で、ひとつの部署ですべてを対応するというのはそもそも無理があるわけですし。

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このブログ記事について

このページは、Junnama Nodaが2012年6月 2日 13:53に書いたブログ記事です。

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