ソフトウェアやサービスはしばしば作り手の想像していなかった使い方をされる。

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面白い話だな、と思った。

Vista のベータテストの実施中に,あるベータテスターから「『ようこそ』スクリーンでスペースキーを押してもビープ音が鳴らなくなったのはなぜか?」という問い合わせがあった。

意図的に削ったわけではなく,仕様変更によって生じた些細な副作用のひとつに過ぎない。でもなぜそんなことを,このベータテスターは気にするんだろう?

そのベータテスターは目が見えなかった。 Windows が起動したことを確認するために,件のビープ音を利用していたのだという。

こうして,ひとつの特殊処理が Vista に付け加えられた。製品版の Vista では,「ようこそ」スクリーンでスペースキーを押すとビープ音が鳴るようになっている——意図されたデザインによって。

例えば、僕の作成したこのサービスのあるユーザーはPDFをスクリーンリーダーで読むために「Orbit」をインストールして「スタートアップ」に登録している。ブラウザでPDFへ移動したら、Orbitを経由してダウンロード、開いて読むのだそうだ。Orbitの開発者は多分そんな使い方は想定していないに違いない。

また、例えばこいつの「ルビ」ふりモードは、日本語を学習中のある留学生の方が好んで使っているそうだ。また、Color Questは色弱者の方が使うことを想定していたけれど、意外とデザイナーの方が使っているというし。

また最近携帯を「らくらくホン」に変えて携帯サイトを読み上げ機能で読んでいるのだが、これもある意味で作り手が意識していなかった使われ方だと思う。HPRの存在は知っていても携帯で読み上げが出来るって知らない人は作り手の中にもまだまだ多いと思うし。

作成者はどうすればいいかというと、とにかく固定概念をとっぱらって想像力をフルに働かせて考えるということなんだろうが、やはりテストが重要且つユーザーからのフィードバックをちゃんと得やすいしくみにしておくことが大切 (何かあたりまえの話に落ち着いてしまったな)。

「億単位のユーザーを抱えるソフトウェア」でなくともこういうことは良くあって、『ソフトウェアやサービスはしばしば作り手の想像していなかった使い方をされる』ということは常に意識しておきたいと思う。改めて。

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このページは、Junnama Nodaが2008年5月19日 16:47に書いたブログ記事です。

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